連続テレビ小説「花子とアン」第111回「春の贈りもの」【第19週】

居間

花子「皆さん お茶をどうぞ。 紅茶がとても高いので 女学校の時代のようには できないけれど…。」

畠山「分かっています。」

醍醐「さあ 皆さん クッキーもどうぞ。」

4人「まあ!」

畠山「スコット先生直伝のクッキー?」

醍醐「ええ。 でも 震災のあとで オーブンが調達できなくて。」

花子「かまどで焼いた特製クッキーよ。」

醍醐「ちょっと焦げてるけど我慢してね。」

竹沢「頂きます。」

梅田「頂きます。」

花子「どうぞ。」

畠山「おいしい。」

竹沢「おいしいですわ。」

花子「ああ よかった!」

夕方

花子「皆さん ご無事で本当によかったわ。」

畠山「私 教会の奉仕活動で 震災以来 避難所を 訪ねているんですけれど 皆さん 家族やおうち お仕事を失って 本当に絶望なさっていて…。」

竹沢「震災さえ なければ…。」

醍醐「でも 修和の建物は無事に残って 本当に幸いでしたわ。」

花子「やっぱり 女学校の頃が 一番楽しかったわね…。」

畠山「はなさん! そんな事を言ったら ブラックバーン校長に叱られますよ。」

花子「ああ…。」

回想

ブラックバーン「The best things are never in the pest, but in the future.」

回想終了

一同『最上のものは 過去にあるのではなく 将来にあります。 旅路の最後まで 希望と理想を持ち続け 進んでいく者でありますように』。

醍醐「皆さん。 お手紙にも書いたとおり 今日は ご協力をお願いしたいんです。」

花子「えっ?」

畠山「はなさん。 ご主人と 『王子と乞食』を出版なさろうと してるんですってね。 うちの子どもたちも あの物語 ずっと読んでいたのよ。」

大倉「出版社を兼ねた印刷会社を 作ろうとしていると伺いました。 はなさん… 是非 協力させて下さい。 不謹慎なんですが 震災のあと 主人の衣料品会社が 大層 繁盛しておりますの。」

畠山「私も協力致しますわ。」

梅田「私も。」

竹沢「私も。」

醍醐「もちろん 私も協力させて頂くわ。」

花子「皆さん…。 お金は 頂けません。」

醍醐「どうして?」

花子「皆さんのお気持ちは 本当に… 本当にうれしいです。 でも 甘える訳には…。」

畠山「それじゃあ このお金は 未来の本への投資というのは どうかしら?」

花子「投資?」

畠山「会社がうまくいったら どんどん 本を出すでしょう? そうしたら 私たちに 割引価格で 優先的に売って下さらない?」

醍醐「いい考えね。」

畠山「こういう時こそ 人々を 楽しく 元気づけるものが必要だと思うの。」

花子「皆さん…。」

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