連続テレビ小説「花子とアン」第111回「春の贈りもの」【第19週】

玄関前

<こうして 醍醐は 村岡家に居候しながら ますます 取材に燃えておりました。>

宮本家

居間

蓮子「私の記事を?」

醍醐「はい。」

蓮子「これまでにも さんざん あちこちで 書かれているじゃないの。 醍醐さんも どうぞ お好きにお書きになったら?」

醍醐「そこには 一つも 本当の事は 書かれていません。 知らべれば調べるほど あの事件は ただの恋愛沙汰ではないと 思うようになりました。 蓮子様は 家や身分に操られる 人生を捨てて 自分の人生を生きようと したんではありませんか? 私は あなたの声を聞き 真実を書きたいんです。」

浪子「蓮子さん 大変! 雨よ! 雨!」

蓮子「まあ… 本当だわ!」

浪子「ほら 急いで! 洗濯物がぬれてるじゃないの!」

蓮子「大変ですわ。」

浪子「急いで 急いで! 遅い 遅い! どうして 雨が降る前に 洗濯物を取り込まなかったのよ!」

蓮子「申し訳ございません お義母様。」

浪子「あなた! 見てないで手伝って!」

醍醐「はい。」

蓮子「雨ですわ!」

浪子「雨よ!」

蓮子「お願い。」

村岡家

英治「お父ちゃまの 出ないなあ。 こうやってごらん。」

花子「英治さん。 やっぱり 『王子と乞食』の本を 作りましょう。」

英治「でも かよさんは 賛成してないんじゃ…。」

花子「嘉納伝助さんが お見えになった時 言って下さったの。 こんな時だからこそ 本を待ってる人が いるんじゃないかって。」

英治「あの人が?」

花子「ええ。 そう言ってもらって 私も強く思ったの。 この本が出来る事で 少しでも 元気を取り戻してもらえる人が 増えたらいいって。 どうかしら。」

英治「うん…。 そういう本を作ろう。 これは 僕たちがやらなきゃ いけない仕事だ。」

花子「歩。 お母ちゃまも こぴっと頑張りますよ。」

台所

醍醐「すてきだわ。 郁弥さんの夢を実現なさるのね。 是非 私もお手伝いさせて。」

花子「でも… まだ資金の事もあるし 実現できるかは めどは 全然立ってないの。」

醍醐「そうなの…。」

花子「醍醐さん?」

醍醐「いい考えがあるわ。 はなさん クッキーをたくさん焼きましょう!」

花子「クッキー?」

<さて 醍醐さんのひらめいた アイデアというのは?>

花子「焼けたわよ!」

醍醐「すごいわ はなさん! まあ 丸焦げ!」

玄関

醍醐「お待ちしてましたわ。」

畠山「ごきげんよう!」

竹沢「ごきげんよう!」

<まあまあ 修和女学校の 同級生の皆さまでございますね。>

醍醐「ごきげんよう。」

花子「皆さん…。 ごきげんよう! お元気そうで。」

畠山「はなさん 醍醐さん お懐かしいわ。」

大倉「今日は お招き頂き 光栄ですわ。」

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク