連続テレビ小説「花子とアン」第143回「生きている証」【第24週】

美里「私 お父様やお母様と 離れたくない! お願いします!」

花子「美里。 お母様からも 大切なお話があります。」

美里「大切な話?」

花子「さっき もも叔母様が 美里をたたいたのは 美里の事 心から心配していたからよ。 あのね 美里…。 もも叔母様は 美里の本当のお母様なの。」

美里「えっ? 美里の本当のお母様とお父様は もも叔母様と旭叔父様なの。」

英治「本当の事だよ。」

花子「突然 こんな話して ごめんなさい。 本当は 美里が もっと大人になってから 話そうと思っていたわ。 でも それでは いけないと 思い直したの。 戦争は 今より もっとひどくなるかもしれない。」

花子「空襲で いつ 命を落とすかも分からない。 だから 今のうちに 美里に きちんと話をしようと思ったの。 美里。 よく聞いて。 お父様もお母様も 美里を 本当の子どもだと思っているわ。 美里を心から愛してる。」

英治「美里。 これからも 僕らは家族だ。」

花子「美里。」

書斎

(戸が開く音)

『ごめんください。』

花子「はい。」

玄関

もも「かよ姉やん どうしたの?」

花子「かよ…。」

雪乃「村岡花子さんですね。」

花子「はい。」

かよ「お姉やんに 聞きたい事があって来たの。」

雪乃「村岡さんは 英語の仕事をしていて 敵国にも たくさん お友達がいると伺いまして。」

かよ「お姉やん… 隠れて変な事してないよね?」

花子「え… ええ。 外国の友人たちは みんな帰国して もう連絡も取ってませんから。」

かよ「それなら 皆さんに納得してもらうために 見てもらってもいいよね。」

雪乃「拝見させて頂きます。」

花子「あ… ちょっと…。」

居間

書斎

雪乃「ここがお仕事部屋ですね。 村岡さん…。 敵性語の本を まだ こんなに たくさん お持ちだったんですね。」

もも「お姉やんが英語の本を処分すれば みんな納得してくれると思う。」

花子「そんな…。」

玄関

吉太郎「はな! 上がるぞ!」

もも「あっ 兄やん 大変あの! かよ姉やんが 今 婦人会の人たち連れてきて…。」

吉太郎「それ聞いて来たんだ。」

書斎

「敵性語の本を持ってるなんて 国賊です。」

「全くです。」

雪乃「空から爆弾を落として 子どもだろうが 年寄りだろうが 誰かれ構わず殺すような 鬼畜米英の本ですよ。 そんなものを まだ大切に持ってるなんて…。 この非国民。」

吉太郎「だから こんな本は 早く捨てろと言っただろう!」

花子「兄やん…。」

吉太郎「今すぐ 敵性語の本を焼かせましょう。 ここにある本は 自分が全部焼いて処分します。 いいな? はな。」

花子「兄やん… 待って。 お願い… 兄やん やめて!」

吉太郎「離せ。」

花子「兄やん やめて!」

吉太郎「離せ!」

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