花子「マシュウは 働き者で無口な おじいさんなんだけれど アンの事が とっても気に入ってしまって マリラに こう言われるの。 『マシュウ。 きっと あの子に 魔法でもかけられたんだね。 あんたが あの子を このうちに 置きたがっているって事が ちゃ~んと 顔に書いてありますよ』。 『そうさな。 あの子は ほんに面白い子どもだよ』って。」
はな「てっ。 おじぃやんみてえ。」
花子「そうなの。 マシュウは『Well, now…』っていうのが 口癖なんだけど 日本語で訳すと おじぃやんの口癖だった あの言葉が ぴったりなの。」
回想
周造「そうさな。」
回想終了
花子「あなたとアンは 似ているところが たくさん あるの。 アンは 11歳の時に 一人で プリンス・エドワード島に やって来るんだけど…。」
はな「おらが 修和女学校に入った時みてえに?」
花子「そう。 その日から アンの運命は 大きく 変わっていくの。」
はな「て~っ。 アンって 本当に おらにそっくりじゃん。」
花子「本当に私たちにそっくりなの。」
はな「花子! このお話は いつ 本になるでえ?」
花子「それは… 分からないの。 本に出来るかどうかも 分からないわ。」
はな「ほれなのに 花子は どうして翻訳なんしてるでえ?」
花子「それはね 私の中にアンが住み着いていて 絶えず 私を励ましてくれるから。 先の見えない不安な時でも アンは 決して希望を見失わずに こう言うの。 『曲がり角を曲がった先に 何があるかは分からないの。 でも きっと 一番よいものに 違いないと思うの』って。」
はな「曲がり角の先…。」
<ごきげんよう。 さようなら。>