益田家
旭「『重なっていく日々は 一年と名付けられたネックレスに 連ねられた 黄金の玉のようにも アンには思われた』。」
勅使河原邸
白鳥「『自分が美人なのが 一番すてきだけれど それは 私には駄目だから その次にすてきな事は 美人の腹心の友を持つ事だわ』。」
『赤毛のアン』出版記念会
会場
<今日は 出版の成功を祝うパーティーです。>
廊下
醍醐「はなさん。 間に合いそう? 大丈夫?」
花子「話したい事が 次から次へとあふれてくるの。」
小泉「ああ… 村岡先生。 新聞や雑誌から 取材の依頼が殺到しています。 後で お時間下さい。」
門倉「その前に 続編の打ち合わせだよ。」
花子「てっ… 今 何て?」
門倉「ですから 『赤毛のアン』 続編を出したいんです。」
花子「てっ! 続編?」
英治「はい。 君が読むのを我慢していた 『ANNE ofAVONLEA』。 今日のお祝いに 持ってきたんだけど ちょうどよかったね。」
花子「英治さん…。」
会場
梶原「ルーシー・モード・モンゴメリという カナダの作家と 村岡花子君は 移し鏡のように重なり合うのです。 ありふれた日常を輝きに変える 言葉がちりばめられた この小説は まさに 非凡に通じる 洗練された平凡であります。 必ず 時代を越えて読み継がれる ベストセラーとなる事でしょう。 どうも ありがとうございました。」
(拍手)
小泉「では 最後に 日本語版『赤毛のアン』の 生みの親である 村岡花子先生に ご登壇頂きましょう。」
醍醐「どうしたのかしら。」
廊下
花子「『contankerous… contankerous…。』」
英治「花子さん!」
花子「はい 英治さん。 ねえ 辞書は ないかしら?」
英治「えっ!? みんな 君のスピーチを待ってるんだよ! ほら 急いで!」