蓮子「「滋養の薬た」と ブドウ酒を飲ませた あなたのせいだ。 それなら かばってくれるのが 筋だろう』と 糾弾しに いらしたんでしょう?」
はな「そうです。 そこまで お分かりなら 私を この窮地から 救って頂けませんか?」
蓮子「お断りします。」
はな「そんな…。」
蓮子「私は 止めました。 あなたが 外に出て騒いだりするから あんな事になったんです。 あなたは 酔っていて 覚えていないかもしれませんが。」
回想
蓮子「もう そのくらいにしておいたら?」
はな「え~? もっと飲みましょうよ 先輩。」
蓮子「『先輩』?」
スコット「My girl, good night.」
はな「あ~! この声 スコット…。」
蓮子「(小声で)はなさん。」
回想終了
はな「おっしゃるとおり 調子に乗った私が一番悪いです。 でも… お酒だと知っていたら 絶対に 口にしたりなんか しませんでした。」
蓮子「私も 1つ 聞きたい事がございます。」
はな「何ですか?」
蓮子「なぜ あなたは 告げ口しないんですか? あの時 私も ブドウ酒を飲んでいたのに 先生方に言いつけないんですね。」
はな「告げ口して 何が変わるんですか? 私 それどころじゃないんです。 自分の事で精いっぱいなんです! もし 本当に 退学になんかなったら これまで支えてくれた 家族の苦労が 全部 水の泡になってしまうんです! 家族を悲しませると思うと 情けなくて… 自分に腹が立って!」
蓮子「家族は そんなに大切なもの?」
はな「どうして そんな事聞くんですか? 離れていても 家族は いつも 私のここにいます。 みんな そうでしょう?」
<はなは この時 まだ知りませんでした。 家族の愛情を知らない人も いるという事を。>
廊下
醍醐「ねえ はなさん知らない?」
畠山「えっ お部屋にいらっしゃらないの?」
醍醐「謹慎中なのに どこにもいないの。」
蓮子の部屋
蓮子「あなた いくつ?」
はな「私 16ですけど。」
蓮子「そう…。 16なら たとえ退学になったとしても いくらでも やり直せるじゃないの。 私から見れば あなたは 自由で幸福な小鳥よ。」
はな「幸福な小鳥? 何言ってるんですか? 私 絶望のどん底ですよ! あなたのせいで!」
蓮子「大げさね。」
はな「何の苦労もした事ない人に 言われたくなありません!」
蓮子「私は あなたより 8つも年上なんです。」
はな「それが どうしたんですか? あなたは いつも 周りの人守られて 面倒な事は 全て周りにやらせて 何も傷ついた事ないんでしょう。」
蓮子「私は 16の時…。」
はな「蓮子さん?」
(ノック)
醍醐「はなさん こちらにいませんか?」
はな「16の時 どうしたんですか?」
蓮子「何でもございません。 今日は 小鳥たちが うるさいこと。 中にいますよ。」