畠山「でも よく退学にならずに 済みましたね。」
はな「蓮子さんのおかげなんです。」
醍醐「葉山蓮子様?」
はな「ええ。 校長室に来て 何もかも お話しして下さったんです。」
醍醐「あの方とは あまり関わらない方が よろしくってよ。 彼女は 葉山伯爵のご令嬢で嫁いだけれど もめ事を起こして 離縁されたんですって…。」
校庭
綾小路「葉山様は この学校に たどりつくまでに いろいろとあったみたいですよ。」
富山「いろいろ?」
綾小路「離縁して自暴自棄になって 夜な夜な 芸術家の男たちを はべらせて遊び歩いていたとか 浴びるように お酒を飲んでいたとか もう 耳を覆いたくなるような うわさばかりです。 清らかな うちの校風には なじむのは難しいでしょう。」
廊下
はな「あっ 先にいらして。」
蓮子の部屋
はな「蓮子さん。 お食事の時間です。 食堂で待ってますから。」
食堂
茂木「イエス・キリストの 御名によって アーメン。」
一同「アーメン。」
茂木「さあ 頂きましょう。」
一同「頂きます。」
回想
蓮子「私は あなたより 8つも年上なんです。」
はな「それが どうしたんですか? あなたは いつも 周りの人に守られて 何も傷ついた事ないんでしょう。」
蓮子「私は 16の時…。」
回想終了
畠山「はなさん どうかなさったの?」
はな「あっ いえ…。」
茂木「いらっしゃらないわね。」
(戸が開く音)
醍醐「珍しい方がいらしたわ。 一度も 食堂に いらっしゃらなかったのに どういう風の吹き回しかしら。]