修和女学校
<時は流れ 年号が明治から大正に替わり>
<はなは 高等科の最上級生になりました。>
教室
はな「Shall we begin?」
一同「Yes」
はな「I get up at six o’clock」
一同「I get up at six o’clock」
はな「I brush my teeth」
一同「I brush my teeth」
はな「I comd my hair」
一同「I comd my hair」
安東家
居間
ふじ「『はな。 あと2か月で 卒業ですね。 はなの帰りを 楽しみに待っています』。 『お… か… あ… より』。 はあ~ 朝市 字ぃ間違ってねえけ?」
朝市「完璧じゃん!」
ふじ「やっとこさ書けたよ~! あ~!」
もも「てっ! せっかく書けたに! もう 葉書ないだよ!」
ふじ「また今度書くさ。 朝市 勉強忙しいのに 悪かったじゃんね。」
朝市「いいえ。 ふんじゃあ また。」
庭
朝市「はな 本当に帰ってくるずらか…。」
もも「えっ?」
朝市「いや 何でもねえ。 じゃあ ももちゃん また。」
もも「朝市さん。」
朝市「何でえ。」
もも「もうすぐ学校の先生ずら? こぴっと頑張れし!」
朝市「ありがとう。」
<朝市は 念願がかなって 師範学校に通っていました。 一方 小さかった末っ子のももも すっかり娘らしくなりました。>
修和女学校
廊下
富山「安東さん 卒業後は どうするか 決まりましたか?」
はな「いえ まだ 何も決まってなくて。 少し焦ってます。」
富山「ここに残って 英語の教師を やる気は ありませんか?」
はな「えっ?」
富山「あなたは 給費生にもかかわらず 何ども問題を起こして ブラックバーン校長や先生方を困らせ おまけに私の授業も さんざん邪魔してきました。」
はな「すいません。」
富山「ただ 英語の実力だけは確かです。 あなたに やる気さえあれば 私から ブラックバーン校長に 推薦しましょう。 私の同僚になるのは 嫌ですか?」
はな「そんな! もったいないようなお話です。 けど…。」
富山「何か?」
はな「10年間 東京で勉強させてもらった 家族の事も気になって 山梨に帰ろうかとも…。」
富山「山梨に帰っても あなたが ここで身につけたものを 生かせる仕事は ないと思いますよ。」
はな「はあ…。」