連続テレビ小説「花子とアン」第43回「想像のツバサ?」【第8週】

尋常小学校

♬『春が来た 春が来た どこに来た』

教務室

<はなたちの担任だった本多先生は 校長先生になっていました。>

はな「ごきげんよう。 本多先生 また お世話になります。」

本多「新米の2人だ。 木場先生は 3年生 安東生成は 6年生を 受け持ってもろう。 おまんら 挨拶しろし。」

朝市「木場朝市です。 母校の教師になれて 本当にうれしいです。 精いっぱい頑張りますので よろしくお願えしやす。」

(拍手)

はな「安東はなです。 早く6年生のクラスになじめるように 頑張ります。」

緑川「6年生のカラス?」

はな「6年生のクラスです。」

本多「ほりゃ 英語け?」

はな「あっ そうです。」

本多「安東君は 東京のミッチョンスクールに 通っていたから 英語ができるずら。」

はな「(小声で)ミッションスクール。」

本多「えっ?」

はな「ミッション。」

緑川「校長先生。 こんな人を担任にして 大丈夫ずらか。 西洋かぶれの代用教員が 生徒らに おかしな事を 吹き込まんといいですけんど。 ねえ 先生方。」

本多「まあまあ 挨拶は ほれぐらいでいいら。」

(鐘の音)

教室

はな「6年生の皆さん ごきげんよう。」

(笑い声)

キヨシ「ごきげんよう? ほれ 何ずら?」

はな「『ご機嫌いかがですか?』という 挨拶です。」

「『ご機嫌いかが』?」

「てっ?」

はな「今日から皆さんの担任になった 安東はなです。」

ミヨ「先生は 東京の女学校から 来たって本当け?」

はな「ええ 東京の女学校に行ってました。 ふんだけんど 10歳までは この学校に通ってただよ。」

「この学校に?」

「本当け?」

はな「では 出席をとります。 サクタ ハルさん。」

「はい。」

はな「はい。 アイザワ ミヨさん。」

ミヨ「はい。」

はな「はい。」

(戸が開く音)

「たえ。」

「たえが またボコ連れて 遅刻してきたずら。」

「また遅刻け?」

「また遅刻け?」

はな「小山たえさんですね。」

たえ「すんません。 弟が途中で小便漏らして…。」

「てっ! 小便! 汚え!」

「臭え!」

「ボコ連れてくるじゃねえ!」

「ほうだ ほうだ!」

はな「みんなも ボコの頃は 漏らしてたずら。」

(騒ぐ声)

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