かよ宅
玄関前
英治「お帰りなさい。 ゆうべは すいませんでした。 僕の方から 時間を 作っておいてもらいながら… 本当に すいません。」
はな「あ… 別に 気にしてませんから。」
英治「あの…。 ゆうべ 話そうと 思っていたのは…。」
はな「奥様の事でしょう? 聞きました。 全部。」
英治「そうですか…。 いいそびれていて すいません。」
はな「どうぞ お大事になさって下さい。」
英治「ありがとうございます。」
はな「こちらこそ 『王子と乞食』の挿絵 ありがとうございました。」
英治「これからも 花子さんの翻訳するページは 手伝わせて下さい。」
はな「どうしてですか? お願いしたでしょう? もう 優しくしないでって…。」
英治「優しさなんかじゃ… ないんです。 今の僕には それしかできないから…。 あなたのためにできる事は それしかないんです。」
<ごきげんよう。 さようなら。>