連続テレビ小説「花子とアン」第7回「エーゴってなんずら?」【第2週】

校長室

(英語)

富山「校長の ミス ブラックバーン先生です。」

吉平「あっ こちらが 校長先生ですか。」

富山「私は 校長の通訳を担当する 英語教師の富山です。」

茂木「寄宿舎の寮母と お裁縫の教師をしております 茂木でございます。」

吉平「娘が お世話になります。 ほら。 はなも ご挨拶しろし。」

はな「グッド… グッド モー…。」

吉平「日本語でええから。」

はな「安藤はなでごいす。 よ… よろしくお願いしやす。」

茂木「よろしくね はなさん。」

はな「本当の名前は はなだけんど おらの事は 花子と呼んでくりょう。」

吉平「はなで結構でございます。 これ はなの着替えと勉強道具です。 お願いします。 はな。 今日から ここが はなのうちじゃ。」

茂木「そうですよ はなさん。 神様の御前では 人は平等。 身分なんて関係ありません。 寄宿生は みんな 姉妹同然ですからね。」

富山「ただし あなたは 給費生です。 その自覚だけは 忘れないように。 ここでは 徹底した英語教育をしています。 特に給費生は ほかの生徒よりも 一層 勉強に励まねばなりません。」

はな「はい。」

富山「一回でも落第点を取ったら 学校をやめてもらいます。」

はな「てっ!」

富山「『てっ』?」

吉平「ああ… すいません。 甲府のなまりです。 あの… はなのほかにも 給費生が いると伺ってるんですが…。」

茂木「それが…。」

富山「落第して学校を去りました。」

吉平「てっ!」

富山「以上です。 お父様は もうお引き取り下さい。」

吉平「あ… はい…。 娘を どうか よろしくお願い申します。」

寄宿舎

茂木「ここが 今日から お友達と生活する お部屋です。 失礼します。」

はな「し… 失礼しやす。」

<寄宿舎では 予科 本科 高等科の 生徒が一緒に暮らしていて 少女から成人した生徒まで 年齢は まちまちでした。>

3人「ごきげんよう。」

はな「ごき…?」

茂木「編入性の安東はなさんです。 こちら 高等科の白鳥かをる子さんと 本科の一条高子さん。 こちらは あなたと同じ 編入性の醍醐亜矢子さん。」

醍醐「私も ここへ来たばかりなんです。」

はな「本当け。」

白鳥「『本当け』?」

醍醐「父が貿易会社の社長で 母とイギリスへ旅立ってしまって。 でも 大きい方たちが それは親切にして下さいますわ。」

はな「大きい方?」

<大きい方というのは 目方の事ではなく ここでは 上級生は 大きい方 下級生は 小さい人と 呼ばれていました。>

醍醐「はなさん 私のお友達になって下さらない?」

はな「いいずら! おらこそ 友達になってくれちゃ。」

白鳥「『ずら』? 『おら』? 『くれちゃ』?」

醍醐「まあ うれしい!」

はな「おらの事は 花子と…。」

白鳥「小さい人たち。 ちょっと お待ちになって。 今の言葉遣いは 感心致しません。 『私こそお友達に なって頂きとう存じます』と 言うべきです。」

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク