玄関前
龍一「あ~ 酔っ払った。」
蓮子「龍一さん…。」
嘉納「蓮子!」
龍一「おっ。 これは これは 石炭王の嘉納伝助… 様では ありませんか。」
嘉納「フフフ… よか ご機嫌やな。 何しよった? 遅いき 迎えに来たばい。」
龍一「へえ~ お優しいご主人だ。」
嘉納「お前の知り合いか?」
蓮子「…いいえ。」
嘉納「行くぞ。 あっちで 運転手が待ちくたびれちょるき。 さあ。」
龍一「待てよ! 待ってくれ…。 行かないでくれよ!」
嘉納「酔っ払いたい。 相手するとやなか。」
ホール
<蓮子たちが そんな事に なっていたとは知らず はなは 3杯目のブドウ酒を 飲もうとしていました。>
武「やっぱし 徳丸商店のブドウ酒は うめえら?」
はな「うめえ!」
醍醐「英治さん。 挿絵の調子は いかがですか?」
英治「それが… なかなか難しくて。」
醍醐「宇田川先生は もしかしたら 英治さんだけの銀河の乙女を 見たいんじゃないかしら。」
英治「それは… どういう事ですか?」
醍醐「遠い遠い星まで 傷つきながら たった一人で旅を続ける 銀河の乙女。 銀河の乙女は 誰の心にも いると思うんです。 英治さんの心にも きっと いるはずです。」
英治「僕の心にいる…。」
はな♬『Twinkle, twinkle, little star,』
醍醐「大変! はなさん いつの間に あんなに酔っちゃったの?」
英治「あっ…。」
はな♬『Up above the world so high,』
英治「あ~!」
はな「ああ… 優しいですね。」
英治「花子さん こぴっとして下さい。」
はな「こぴっと?」
英治「こっちへ。」
英治「どうぞ。 やっぱり 寝てしまいましたね。 朝市さんは 花子さんの幼なじみだそうですね。」
朝市「はなの事 花子って呼ぶですね。」
英治「はあ…。」
朝市「村岡さん。」
英治「はい。」
朝市「はなに英語の辞書を贈ったのは あんたですか?」
英治「はい。 そうですけど…。」
朝市「やっぱり ほうけ…。 あんたに言っておきてえ事がある。 はなは…。」
<まあ 怖い! 朝市は 決闘を申し込むのでしょうか? ごきげんよう。 さようなら。>