村岡印刷
回想
醍醐「銀河の乙女は 誰の心にも いると思うんです。 英治さんの心にも きっと いるはずです。」
回想終了
カフェー・ドミンゴ
郁弥「ゆうべ ここで 兄と朝市さんが話しているのを 聞いてしまいました。」
かよ「あのね お姉やん 眠ってたけんど 2人で お姉やんの話をしてただよ。」
はな「そうですか…。 それで?」
郁弥「やはり 兄とあなたは 心が通じ合っていたんですね。 義姉さんが亡くなる前から。 義姉さんも気が付いていました。」
かよ「それで… お義姉さん 突然 英治さんと別れたいなんて 言いだしたんですか。」
郁弥「きっと そうです。 義姉さんの気持ちを思うと 僕は 兄とあなたが一緒になるのだけは 許せないんです。」
はな「そうだと思います。 私も… 自分の事 許せないんです。 正直に言います。 お兄さんの離婚話を聞いた時… 一瞬だけ 考えてしまいました。 お兄さんと 一緒になれるんじゃないかって…。」
はな「もう そんな事 二度と考えません。 好きだとか 一緒にいてえだとか そういう気持ちは 全部 甲州の山ん中に 捨ててきましたから どうか 安心して下さい。」
郁弥「そうですか…。」
はな「村岡さんとは いい仕事の仲間でいたいんです。 今は 心から そう思ってます。」
郁弥「分かりました。」
はな「すいません。 まだ仕事が残っているので… 失礼します。」
かよ宅
(時計の音)
村岡印刷
聡文堂
郁弥「おはようございます。」
一同「おはようございます。」
郁弥「おはようございます。」
はな「おはようございます。」
郁弥「これ 兄から預かってきました。」
醍醐「挿絵 出来たんですか?」