英治「ちょっと待って下さい…。 どうして 僕に そんな事 言うんですか? あなたは 僕より ずっと 彼女の事を分かってる。 朝市さんこそ はなさんの事が 好きなんじゃないんですか?」
朝市「はい。 おらは はなが好きです。 ボコの頃から はなは ず~っと おらのそばにいました。 いつか… おらの嫁さんに なってほしいと思ってました。」
英治「そんなに思ってるなら… あなたが彼女と結ばれるべきだ。」
朝市「はあ… まだ 分からんだけ。 おらじゃ駄目じゃん! あんたじゃなきゃ駄目どう! あ~…。 ヘヘヘ… ああ…。 あ~ 酔っ払った…。 武が待ってるから帰る。」
かよ「朝市。 もう 電車ねえよ。」
朝市「歩って帰る。 ちょうどいい酔い覚ましだ。 はなの事 お願えします。」
翌日
武「ここのライスカレーも 食べ納めじゃん。」
かよ「てっ… やっと甲府に帰るだけ?」
武「ほんなに さみしいなら もっと いてやらっか? ん。」
2人「あ~ ごっそさまでした!」
武「釣りは いらん。 世話になったじゃん。」
かよ「てっ…。 武 初めてチップくれたじゃん! ありがとう。」
武「やっぱし もっと いっかな。」
かよ「朝市。 お姉やんに会わんで 帰っちまうだけ?」
朝市「うん いいだ。 こぴっと頑張れって かよちゃんから 言っといてくりょう。 かよちゃんも 元気で。」
かよ「あっ ちっと!」
朝市「ん?」
かよ「ゆんべの朝市 うんとこさ かっこよかったよ。」
武「何でえ? 朝市のどこが かっこいいでえ?」
朝市「汽車乗り遅れるから 早く行こう! ごっそうさん!」
武「ごっそうさん!」
かよ「ありがとうごいした! フフフ。」
聡文堂
<朝市が はなのために そんな かっこいい事を してくれたなんて つゆほども知らない はなでした。>
はな「はあ…。」
醍醐「ゆうべは 相当飲んでたけど 大丈夫?」
はな「ああ… お恥ずかしいわ。 あっ 『銀河の乙女』 今日こそ入稿したいわね。 村岡さんの挿絵 まだかしら。」
醍醐「きっと すごく いい絵が あがってくるわ。」
はな「えっ?」
醍醐「私 そんな気がするの。」
郁弥「安東さん。」
はな「はい。」
郁弥「後で ちょっと話したい事が あるんです。」
はな「はい?」
郁弥「兄の事で…。」