蓮子『ご承知のとおり 結婚当初から あなたと私の間には 全く 愛と理解とを欠いていました。 しかし 私は この結婚を有意義にするため 出来る限り 努力しようと 決心しました。 私が はかない期待を抱いて 東京から九州へ参りまして 10年になりますが 私の期待は 全て裏切られ 努力は 水の泡になりました。」
蓮子『愛なき結婚が生んだ不遇と思い 私の生涯は 暗い一生で 終わるものと諦めていたのです。 しかし 幸いにして 愛する人に 巡り会う事ができました。 私は その愛によって 今 復活しようと しているのでございます。 ともあれ 10年の間 欠点の多い この私を 養って下さったご恩に 感謝します』。
黒沢「しかし… なぜ このような手紙が 新聞に載ったのでしょうか…。」
嘉納「こげなもん! ごげなもん! うう~! こげなもん! こげな… もん! あ~!」
(ガラスが割れる音)
嘉納「こげなもん! うう~! あっ! うう~! こげなもん! こげなもん! こげなもん! こげなもん! うう~! こげなもん! うう~! ううう…。」
(ガラスが割れる音)
嘉納「(泣き声) ああ~!」
龍一宅
<蓮子は まだ知らなかったのです。 まさか あの手紙が 新聞に公開されているとは…。 蓮子は 何もかも捨てて たった一つの夢を つかんだのでしょうか。>
蓮子「ごきげんよ… じゃなくて お帰りなさい。」
龍一「ただいま。」
<では また来週 ごきげんよう。 さようなら。>