自宅
剛「なんか お母ちゃんと違う」
純「剛 あんた いつまで 居るわけ?」
剛「大丈夫 大丈夫 ちゃんと 考えてるから これから どうするか あの家に居て お父ちゃんの言いなりになってる お母ちゃんを見るのが辛いんだよ なんか こう宮古の海を汚されてる気がしてさ」
アホは アホなりに 心配してんだ 家族のこと
(携帯の着信)
純「もしもし どうしたの? お母ちゃん」
狩野家
晴海「それがさ お父さんが 純がクビになったか 確かめろっと言うからさ」
善行「余計な事言わんでええねん」
晴海「すみません ねえ あんた 何かあったの?」
純「え? お父ちゃんに『お生憎様』って言っておいて」
善行「世の中はな 寸善尺魔や」
晴海「すんぜんしゃ?」
善行「寸善尺魔! 一寸の善と一尺魔と書いて寸善尺魔 世の中は 良いことよりも 悪い事の方が多いという意味や」
純「お母ちゃん そんなやつ放っておきなよ そうだ 剛に代わろうか?」
晴海「剛 そっちにいるの?」
善行「え?」
純「あれ? おい! コラ! おい! ちょっと!」
剛「お母ちゃんに心配するな って 言っておいて」
純「お前 どこに行くんだ コラ? お母ちゃん あいつ逃げた!」
晴海「何 のんきなこと 言ってるの? 早く捕まえて こっちに帰ってくるように説得してちょうだいよ 弟の事が 心配じゃないの あんた」
ったく あいつのことになると 甘いんだから お母ちゃん
オオサキプラザホテル
休憩室
あっ すっかり 忘れてた こいつの事
純「あのさ」
愛「はい」
純「この前 ごめんね」
愛「別に大丈夫です ホテル 辞めずにすんだんですね」
純「もしかしてさ あんとき 私の こういう なんか見えたりしたの?」
愛「まあ 少し ブレてた程度ですけど」
純「あぁ」
愛「信じる信じないは 自由ですから」