雑貨屋平良
純「こんにちは。 キンさん どうしたんですか?」
キン「孫が 勝手にジュークボックス売ったみたいでよ。」
勝「自分のモンなんだから 何しようかが 自分の勝手だろ?」
純「何言ってんのよ! キンさんがどんな思いで このジュークボックス買ったのか 知らないの? 昔あんたと一緒にジュークボックスを聴いたのが忘れられないの。」
純「これさえあれば また昔みたいに あなたとしゃべれるんじゃないかって 楽しくしゃべれるんじゃないかって そう願って 高いお金を出して買ったの なんで こんなことするの?」
勝「俺は この狭い島で旅行客が落とした 金で チマチマ暮らすのがイヤなんだ。 時代の最先端いく仕事で ビッグになるのが夢なんだ そのための先行投資と思えば なんでもねーだろ。」
愛「じゃあ 僕たちに売ってください。 おじぃのジュークボックス。」
純「このジュークボックスは元々 ウチのおじぃのホテルにあった物なの。」
愛「お願いします お願いします。」
純「お願いします。」
勝「別にいいよ。 高く買ってくれるなら。」
愛「色々な事情があって ローンにしてもらいたいんですけど。」
勝「ふざけんなよ! 100マンで買ってくれるって言ってるんだぞ 先方は。」
愛「そこをなんとか。」
勝「問題になんねーよ どけ!」
愛「いや…。」
勝「持ってきて。」
「はい。」
純「あ いや…。」
愛「高く 買いますから いずれ。 ローンでも かならず 高く買いますから。」
「どけよ! どけ!」
愛「高く買うって言ってんだろ!」
純「あぶないから。」
勝「早く持ってきて。」
「はい。」
純「大丈夫? 愛君どこかぶつけた?」
勝「じゃあ また来るわ おばぁ。」
純「大丈夫?」
愛「大丈夫ですから。」
純「キンさん。」