千代「ハンバーグと 豚カツと それから うなぎと お寿司をとろうかと 思てんや。」
糸子「多すぎるわ。」
千代「せやけど 男の人が 3人も来やんのに。」
昌子「男の人ちゅうても 学生でしょ? ほんなもん 芋の煮っ転がしで 十分ですよ。」
千代「あかんあかん そんな! 若い男の子が うちで 飢え死に してしもたら どないすんや!」
糸子「せえへん!」
昌子「しません!」
<なんぼ言うても お母ちゃんは 聞く耳持たず>
台所
(千代の鼻歌)
糸子「何を どんなけ食わせるつもりや。」
千代♬『高原列車は ララゝゝゝ行くよ』
オハラ洋装店
3人「こんにちは。」
昌子「いらっしゃい… はれ。」
源太「あの~ 初めまして。 僕ら 直子さんの東京の同級生で…。」
昌子「はあ! ようこそ!」
源太「どうも!」
昌子「先生 先生!」
糸子『は~い! はいはい はいはい。』
糸子「あ~ まあまあ いらっしゃ~い! あれ? え… 直子は?」
源太「あ 今 そこの下駄屋のご主人と しゃべっておられて『先 行っててくれ』って 言われたもんで。」
糸子「そうですか。 まあ 遠いとこ ようこそ! まあ 上がってよ! な どうぞ どうぞ!」
<はあ このジャガイモみたいなんが 源太やな。 ほんで この ちょっと 大人っぽいんが 吉村君で この優しそうなんが 小沢君やな。 みんな よさそうな子ぉや>
直子「ただいま。 ただいま。」
糸子「ひょっとして…。 え? 直子か?」
直子「ただいま。」
糸子「直子かいな?!」
昌子 松田『直ちゃん?!』
直子「うん。 あ みんな 荷物 まだやろ? こっち おいで。 2階。 2階に置いといたら ええねん。」
吉村「お邪魔します~。」
糸子「何や あんた それ? 何が…? どないしたんや 一体?! え~っ?! え え…。」