居間
<こうゆう時に ニカッと笑て『偉い! お母ちゃん うれしいで』ちゅうような事を よう言わんのは… 血筋やろか? 血筋やな…>
善作『ちゃう!』
糸子「あ?!」
東京・小原宅
(ノック)
直子「はい!」
源太『俺!』
直子「源太け?」
源太『うん。』
直子「どないしたんや?」
源太「俺 取った。」
直子「はあ?」
源太「そ そ そ…。 装麗賞!」
直子「ほんまけ? ほ… ほんまけ?」
源太「取った。」
直子「あんた 取ったんけ?」
源太「取った!」
直子「あ~! やったやんか! この! この! 何 泣いてんや! おう!」
小原家
オハラ洋装店
昌子「へえ~! あのジャガイモがなあ!」
松田「前が 直ちゃんで 次が ジャガイモ君て えらい ごっつい 学年ちゅうこっちゃねえ!」
昌子「なあ!」
直子「フフフ!」
優子「ちょっと あんた?」
直子「え?」
優子「ひょっとして その格好で 式に出るつもり ちゃうやろな?」
直子「そうや。」
優子「はあ? あんた うちの結婚式 ぶち壊す気け?」
直子「はあ? 何で うちの格好が あんたの式 ぶち壊すんよ。」
優子「常識で考ええや! ちょっと… お母ちゃん! おばあちゃん!」
千代「何や どないしたん?」
優子「直子がな あんな格好で 式に出るちゅうんや!」
千代「ああ あかんやろか?」
糸子「うちは だいぶ 見慣れてきたけどなあ。」
優子「絶対あかんて! 向こうの 親族さんらは普通の人らなんや。 こんな オウムみたいな妹 座っちゃったら 何事や思われるやんか!」
糸子「まあ ええわ。 ほな 直子おいで。 着替えり。」
直子「嫌や!」
糸子「あかんで!」
直子「嫌やで!」
糸子 優子「直子!」
玄関前
直子「おっちゃん!」
北村「おお~!」
直子「どないしたん?」
北村「優子がよ 今日… 招待してくれちゃあねんけど 何か やっぱり 遠慮しとった方が ええかな思て ほんで 代わりに これや。 まあ あの よろしゅう 言うといてや。」
直子「ちょっと 何や? 何で 式 出えへんよ?」
北村「お前 話 聞いてへんのかよ?」
直子「何を?」