連続テレビ小説「カーネーション」第118回「鮮やかな態度」【第21週】

<北村の 一流デザイナー育成計画は 案の定 挫折したそうです>

北村「ほら わいもよ すぐに一流 育てれる 思えへんかったけど あない ボンクラばっかり集まる 思てへんかったわ。」

直子「どっから 集めたんや?」

北村「大阪の洋裁学校や。 優子 行っちゃあった。」

聡子「ああ うちが 3日でやめたとこ?」

北村「あっこや あっこ! あっこの生徒やど。 もっとお前らみたいなよ がめつい 奴らが来る 思ちゃあったら 皆が皆 やる気 スッカラカンや。『デザイン 出せよ』ちゅうたら お前 5分で描きました ゆうようなもん ばっかり 持ってきやがってよう。」

直子「ほんで どないしたんよ?」

北村「なんぼかマシなん 2人だけ置いて あとは 工場 回しちゃった。」

糸子「ほれ 見た事け。 せやから 言うたやろ。『そんな簡単ちゃう』ちゅうて。」

北村「あ~ もう ばばあの 決まり文句やの。」

糸子「ああ?」

北村「『ほれ 見た事か』。 お前よ これからの人生 そればっかりで 生きていくつもりやろ。」

糸子「何じゃ?」

(直子と聡子の笑い声)

北村「簡単やない ちゅうのは 分かっちゃあんねん。 せやけど やらな 分からへんやんけ。 なあ?!」

直子 聡子「なあ! フフフフ。」

北村「ほんで わい 最近よ ちょっと 不動産にも 手ぇ出しやん。」

糸子「はあ?」

直子「不動産?」

北村「おう。 今よ ごっつい勢いで 土地の値段 上がってきちゃあんねやし。 そら もう 絡んじゃあったら 何か ええ事あるかな 思てよ。」

糸子「はあ… ほんま あんたのスケベ根性は 腐らんな。」

北村「心斎橋のよ ごっつい ええとこによ 1軒空き店舗が 出そうなっちゃあねんさかい お前 買えへんけ?」

糸子「買うか!」

直子「え! 買およ お母ちゃん。」

糸子「要らん! 新しい店 出す予定もないのに。」

直子「何でよ? ほんなの 値段 上がってんやったら 買うとくだけでも 買うといたら ええやん。」

北村「そや。 上がっちゃる時 売ったら お前 その分 儲けやないか。」

直子「せや なあ!」

糸子「要~ら~ん! そんな あぶく銭 要らん。 あんた いつから そんな猿知恵 働かせるようになったんや? 楽して 儲ける事ばっかし 考えちゃったら 罰 当たんで。 潰れんで! この人みたいに。」

北村「潰れてるか アホ。」

糸子「潰れかけてるがな。」

北村「かけてても 潰れてへんやろが。」

糸子「捕まったやろ。」

玄関前

<こないして見ると 毎年 同じ繰り返しのようで 祭りも 随分 変わりました。曳き手は 町ごとに そろいの 法被を 着るようになって 女の子らも みんな 当たり前みたいに着て だんじり 曳いてます>

北村「あのよ…。 ずっと前から 聞きたかったんやけどよ。」

糸子「何や?」

北村「お前よう…。 わい…。 こ… この前 お前 ごっつ安い絹 買うたんやしよ。」

糸子「はあ?」

北村「ほんで 偽物ちゃうかな思てん お前 どない思う?」

糸子「はあ?」

糸子「絹以外のもん 混じっちゃったら 溶けるさかい 見といてみ。」

北村「おう。 うおおおお~!」

糸子「溶けた。」

北村「『正絹』言うたぞ おっさん!」

糸子「偽物や。」

北村「え~っ! 早すぎるわ これ! 混ざり過ぎすぎやろ!            」

居間

直子「えらいこっちゃ。」

北村「ぎえっ!」

直子「うわ 堪忍 おっちゃん。」」

北村「お前!」

直子「うわ~ 寝坊してしもた~。」

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