台所
千代「おはようさん。」
直子「乗り遅れたら 姉ちゃんに ぶち殺される。」
千代「あんた これ 持っていき。」
直子「うん。 おおきに! ほなな おばあちゃん。 また帰ってくるよって。」
千代「もう行くんか?」
直子「うん。」
千代「え~っ!」
居間
北村「痛い! お前 ちゃんと見て歩け アホ!」
直子「は… せやせや。」
北村「もう!」
直子「おっちゃん。」
北村「ああ?」
直子「昨日の話。」
北村「何や?」
直子「『心斎橋に 空き物件ある』ちゅうちゃあたやろ?」
北村「おお~。」
直子「あれな もうちょっと 置いといてくれへん? お母ちゃんに ないしょで。」
北村「ああ?」
糸子『直子~! もう行くんけ?』
直子「ほな 頼むわ。 また 詳しい事は 電話するさかい。 な! は~い。 行ってくるわ!」
糸子『気ぃ付けや! 慌てた けがすんで!』
直子「せえへん!」
糸子「あ~あ もう 行ってもうた。 は~ だんじりか。 何や?」
北村「え?」
糸子「何 にやけてんや?」
北村「いやいやいや 何やろな 思てよ。」
糸子「何が?」
北村「いやいやいや こっちの話や。 いやいやいや。」
糸子「気色 悪いなあ。」
北村「イタッ! お前!」
千代「はれ~ 直子!」
北村「おかあちゃん!」
千代「もう 行ってしもたんか? はれ~ これも持たせよう 思たのに…。 北村さん。」
北村「ああ?」
千代「目玉焼きと 卵焼き どっちに しましょ?」
北村「いや もう そんな構わんといて おかあちゃん。」
千代「どっちか?」
北村「どっちか… ほんな もう 絶対 目玉焼き。」
千代「よっしゃ。」
糸子「聡子~! 起きりや~!」
<祭りが終わったら また 普通の日ぃが始まります>