連続テレビ小説「カーネーション」第120回「鮮やかな態度」【第21週】

安岡家

居間

糸子「物件に負けたあ。」

玉枝「まあまあ。 うんうん。」

糸子「うちの看板は 北村の物件に負けたんや。 命より大事な看板を 譲っちゃる ちゅうてんのにやな 優子のアホは『そんなもん いらん 北村の物件のがええ』て 言いよったんや!」

八重子「せやけどな 優ちゃんも そんなつもりと ちゃうと思うで。」

玉枝「せや せや。」

糸子「何が心斎橋や! 何が物件や! 北村のボケ! 優子のアホ!」

玉枝「よしよし な! な!」

小原家

玄関前

<寂しい むなしい 昌ちゃんと恵さんにかて あない格好つけたのに 不細工な>

(小鳥の鳴き声)

井戸

糸子「あんた もう帰り。」

優子「え?」

糸子「あんたの顔 見ちゃあったら ほんま気ぃ悪い。 仕事の邪魔や。 その心斎橋の物件 もう押さえてしもてんやろ?」

優子「はい。」

糸子「ほな とっとと 先 進め。 いつから その店やる気か 知らんけどな 準備ちゅうんは 片手間にでけるもん ちゃうんや。 やるんやったら そっち 集中し。 うっとこはな あんたなんか おらんかて どないでも なるんやさかいな!」

優子「はい。 おおきに お母ちゃん。」

小原家

玄関前

<よっしゃ。 不細工なりに どないか けじめつけられたで 娘の独立 見届けたで お父ちゃん。 ちゅうて思ちゃったのに>

居間

優子「なあ お母ちゃん!」

<まあ この娘の独立の 中途半端な事>

糸子「知らん! 自分でせんかいな ほんな事。」

優子「せやかて ほんまに柄悪いねんで。」

心斎橋・優子の店

「いや そら でけん!」

糸子「でけんでは 困りますねん。 こんな汚いダクト むき出しでは 商売ならん。」

「でけん事は でけん言うとんじゃ!」

糸子「はあ? でけん ちゃうやろ?! 一旦 引き受けた仕事やったらな 最後まできっちり やらんかいな! こっちは この先 この店で 飯食うていくんですわ! やってもらわな かないませんねや!」

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