優子「あんた どうなん? あれから 店。」
直子「関係ないやろ。」
優子「売り上げ 悪いんけ?」
直子「いや 関係ないやろ。」
優子「まあ ほんでも あんた 名前だけは売れてるんやさかい どないか頑張って やっていきや。 そのうち 理解してくれる人かて もっと増えていくやろしな。」
直子「どうでもええ! うち 店 辞めるんや。 年明けに。」
優子「はあ?」
直子「辞めて パリ行ったんねん。」
聡子「パリ?」
直子「去年の暮れに 源太も行ってまいよった。 うちも 今のパリを見ときたいしな。」
優子「何? あんた また 何 訳分からへん事 言うてるんや! あんた あんなけ うちに 自分の力だけで店やりたいやら たんか切っといて そのざまけ? 何がパリや! どんだけ中途半端なんや?」
直子「姉ちゃんこそ この店 継ぐちゅうちゃあった ちゃうんか? 何をほったらかして 自分の店 やるとか 言うてんよ? しかも あの… あの物件。」
優子「何や!」
直子「しかも あの物件な うちが 初めに 持ってきちゃあった話ちゃうんか。」
優子「うっさい! あんたに関係ないやろ!」
直子「こっちのセリフじゃ!」
優子「何やと? 痛いな! 何すんねん!」
直子「何やねん こら!」
オハラ洋装店
糸子「そろそろ また 静子らが チビ 連れて来んで。」
千代「ほやなあ。」
糸子「うん。」
千代「準備しとこうか。」
糸子「うん。 はいはい。」
(優子の泣き声)
糸子「何?」
千代「え? 直ちゃん?」
(泣き声)
居間
糸子「あ~あ あんたら 年 なんぼや?」
聡子「うちが 21やさかい お姉ちゃんは 28。」
優子「まだ 27!」
糸子「ええ年して そろいもそろって アホ娘が! こら アホ娘! テレビ 見とらんで 片づけんかい!