連続テレビ小説「カーネーション」第128回「まどわせないで」【第23週】

居間

糸子「おはようさんです。 今日も一日 どうぞ よろしゅうお願いします。 はれ あんた また 倒れてんかいな。 しっかりしいや。 死んでまで フラフラしちゃあった あかんで。」

<ほんでも あっち逝ったくらいで つきあい 諦めんのも 嫌で 何やかんや 供えたり>

糸子「これ うまいで。 忠岡堂の新作やて。 あ イテテテテ! ツ~ッ。 せやけど この膝も よう考えたら 長い事 頑張ってくれてんで。 はあ~ ぜいたく言うたら いかん。 なあ。」

<いろいろ 言うてみたり>

糸子「いや~ ああ イテテテ!」

(電話の呼び鈴)

オハラ洋装店

糸子「はい オハラ洋装店です。」

優子『お母ちゃん…。 どない? 里香。』

糸子「どうて 別に 何ちゅう事ないで。 何も迷惑な事 あるかいな。 これまで 年寄り一人やったんが にぎやかなって うれしいくらいや。」

優子のオフィス

優子「あの子 昨日の夜 出ていけへんかった?」

糸子『夜? さあ…。 朝には おったけどな。』

優子「多分 こっそり 抜け出してると思うわ。 こっちでも 毎晩毎晩 出てってなあ その… オートバイの後ろ 乗ったり してたらして…。」

小原家

オハラ洋装店

糸子「ふん。」

優子『あんな お母ちゃん。 うち あの子を 今のミッションスクールに 戻さすんは もう 半分 諦めてるんや。 けど せめて 公立の高校でも どないか出ささんと…。』

糸子「うん。」

優子『あの子が 何を思て そっちに行きたいやら 言いだしたか 分かれへんけど まあ 様子 見て なるべく早う 東京へ帰らせちゃってな。 今が 肝心な時なんやさかい。』

浩二「おはようございます。」

糸子「おはようさん。 あ 浩ちゃん。 あんた 昨日のあれ しときや。」

優子『ちょっと お母ちゃん。』

糸子「ちゃう ちゃう ちゃう。」

優子『聞いてるか?』

糸子「あ? ああ。 ま むつかし考えな。」

優子『はあ?』

糸子「チビのこっちゃ そりゃ やんちゃする事も あるがな。」

優子『チビて お母ちゃん 里香は もう15歳やで?! ここで下手したら 一生を 棒に振ってしまうんやさかいな?!』

糸子「はあ? アホか! あんなチビ つかまえて 物騒な言い方したりな!」

優子『せやけど ほんまに これからの3年間で 人生 決まってまうねん!』

糸子「決まらん! たかが3年で 人生なんぞ 決まってたまるけ! つい こないだ おしめ取れて 喜んじゃったような娘やないか。 歩けて しゃべれるだけで上等やと 思っちゃあって ええんや。」

「おはようさん。」

孝枝「おはようございます。」

糸子「はれ おはようさん でけてんで~ ごっつい ええの。 孝ちゃん。」

孝枝「はいはい。」

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