連続テレビ小説「カーネーション」第12回「運命を開く」【第2週】

神宮司家

廊下

神宮司の娘「そやかて 嫌やわ。 小原のおっちゃん うちの顔 見る度に『別嬪さん 別嬪さん』て お世辞ばっかし言うんやもん。」

神宮司「お世辞とちゃうわ。 ほんまに そない思うてんやて。」

神宮司の娘「嘘や。 絶対 お世辞に 決まってるわ。」

座敷

神宮司「毎度!」

善作「あっ!」

神宮司「ハハハハッ!」

2人「こんにちは。」

善作「へえ。 この度は 誠に おめでとうございます。」

神宮司「あれ? 手ぶらで来たんか? 反物を持ってきたか 思たのに。」

善作「へえ…。 すいまへん! どうにも おわびをせんと あかんように なりました。」

神宮司「さよか。」

善作「ほんまに すいません。」

神宮司「ハハハハッ! そなもん うちは どうちゅう事ないわ。 別の店に頼んだら しまいや。 あ… それよりも あんた どないすんねん? 店 畳むんか?」

(ため息)

善作「お恥ずかしい話ですけど。」

神宮司「うん?」

善作「まだ… 迷てます。」

神宮司「はあ…。 そら 分かる。 けどな… やめるんやったら 早いうちやで。 商売ちゅうんは 一旦つまずいたら どん底まで あっちゅう間や。 手ぇつけられへんとこまで 落ちてからでは 遅いで。」

枡谷パッチ店

<新学期が始まりました。 お父ちゃんからは あれっきり まだ 何の許しも出てへんけど ちょっと… ほんのちょっと のぞくだけや。 誰にも会わんと すぐ帰るんやさかい 何も悪い事ない>

枡谷「ほんなら 岡村 頼むわ。」

岡村「はい。 よし 皆 やろか!」

「おい 山口 あれ 下ろしといてくれ。」

山口「はい すみません。」

「おい 山口 それ こっちな。」

「おい! 下しといてくれへんか。」

(ミシンを踏む音)

道中

勘助「お金 ないのや。」

「とってきたら ええんじゃ。」

糸子「あっ 勘助。」

<けど あいつ 道で会うたら 無視しよるさかい うちも無視したろ>

「言う事 聞かんかってみいや お前 どないなるか分かってんやろな? な~んも考えんと わしらの言うてるもん とってきたら ええんじゃ。」

「お巡り来たら 言うちゃるよ。」

「おう 言うちゃる 言うちゃる。」

勘助「けど 俺… やっぱし 嫌や。」

「はあ? おんどりゃ また こないだみたいな目ぇ 遭わされたいんけ? あっ!」

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