小原家
リビング
糸子「う~ ああ ハハハハ…。 う~ うん くっそ~! 春太郎~!」
オハラ洋装店
<そんでも おかげさんで ブランド・オハライトコは 快調な滑り出しで 店にも 新しいお客さんが どんどん 来てくれるようになりました>
「こんにちは!」
糸子「いらっしゃい! 採寸して。 今 混んでるさかい ちょっと待っとって。」
「うん。」
浩二「先生… 先生。 ほな そろそろ… 里香ちゃん 送ってきます。」
糸子「うん…。」
リビング
糸子「行くか? 悪いけど うちは 見送り 行かんよってな。 忙しいさかい。」
里香「うん。」
糸子「駅で 浩ちゃんに お弁当 買うてもらい。 東京は 優子が迎えに来んやろ?」
里香「うん。」
糸子「気ぃ付けや。 優子に よろしゅう言うといて。 ほなな。」
里香「おばあちゃん! ありがとう… ございました。 また来ます。」
糸子「うん。 …ほなな!」
糸子「ごちそうさん。 テレビでも 見よけ。」
(電話の呼び鈴)
糸子「はい オハラ洋装店です。」
里香『もしもし おばあちゃん?』
糸子「はあ 里香か。 今 どこや 東京か?」
里香『うん 今 東京駅。 あのさ おばあちゃん。』
糸子「うん?」
里香『私 9月のだんじり 行くから。』
糸子「はあ~。 うん 分かった。」
里香『そんだけ じゃあね。』
<東京へ… 帰ってしもたから なんや あっちへ 行ってしもたから なんや。 寂しいんは うちが ほんなけ 相手を好きなせいやないか>
糸子「うちの人生 フフフ… もう 好きな人だらけで 困るちゅうこっちゃないか ヘヘヘヘヘ。 ああ~ 結構な話や。 ヘヘヘ。 いや あんたん事 違うや!」