連続テレビ小説「カーネーション」第13回「熱い思い」【第3週】

枡谷パッチ店

玄関

枡谷「うちらも 糸ちゃんに 働いてもらえるやて こない うれし事 あらへんわ。」

千代「あら あ~ おおきに すんません! あ~ あの これ お口に合うかどうか…。」

枡谷「いやいや おかあさん そんな物 こっち…。」

<やっとや! やっと ここで 働けるんや。 うちの胸は もう 喜びで いっぱい! やってんけど…>

作業場

「ええ まんじゅうや。」

(笑い声)

糸子「みんな ただいま! 小原糸子です! うち 女学校やめて ここで 働く事にしました! また 仲良うして下さい!」

糸子「なあ 何か あったん? 何が あったん? うちが いてへん間に。」

山口「はあ?」

糸子「何で みんな あんな暗いん?」

山口「何もないで。 もともと みんな あんなんや。」

糸子「嘘や! うちが おった時は もっと みんな 明るかったやんか?!」

山口「ああ そら 前は あんたが お客さんやったさかい みんな 愛想ようしとっただけや そもそも あんなもんや。」

糸子「はあ そうなんやったん?」

山口「せや 口のきき方も 直しや。」

糸子「は?」

山口「これからは あんたが ここの一番下っ端やさかいな わしにも みんなにも ちゃんと 敬語 使いや。」

糸子「え~っ 敬語? うち そんな 堅っ苦しいの 苦手や~。」

山口「『苦手や』ちゃう!『苦手です』。」

糸子「苦手です。」

山口「お茶入れんのんも これからは あんたの仕事やで。 はい! やり。」

糸子「お茶です。」

田中「アホか。」

糸子「え?」

田中「大将が先じゃ。」

糸子「え~?」

田中「仕事場ちゅうとこには 茶かて 飲んでええ順番が あるんじゃ。 偉い人から配っていくんや。 よう覚えとけ。」

糸子「へえ。 お茶です。」

枡谷「うん。」

糸子「あれ? 次 誰やろ…。」

枡谷「坂本や。」

糸子「おおきに! 坂本さん お茶です。 坂本さんの次に偉いん 誰ですか? すんません! 坂本さんの次に 偉いん 誰ですか?」

田中「わしじゃ。」

岡村「わしじゃ。」

糸子「へ?」

田中 岡村「わしじゃ!」

糸子「どっちですか?」

田中「どけ!」

糸子「え~っ。」

坂本「こら お前! やっかいな事 聞くな!」

糸子「え?」

田中「ええかげんにせえや。 お前 わしより 年下じゃろ?!」

岡村「関係あるかい。 ここに入ったのは わしの方が 先じゃ!」

田中「1週間 早かっただけやろが?!」

岡村「ハハハハ… 何やと!」

枡谷「いかんよ! やめとけ!」

坂本「あいつら あれで 10年 もめとんねん。 気ぃ付け!」

糸子「へえ…。 何で うちが 怒られなあかんねん。」

山口「それ終わったら ガラス磨きや。」

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