吉田屋
玄関前
駒子「あっ。」
糸子「あ さっきは どうも。」
駒子「小原さんやんか。 どないしたん?」
糸子「あんな ちょっと 生地 顔に当ててみたいんやけど…。 そうかあ… おしろい 塗ってんかあ…。 あかんわ。 全然 分からへん。」
駒子「ああ どれがええか 見てくれてんの?」
糸子「そやねん。 生地 買いに行ったんやけどな やっぱし 当ててみて 選んだ方がええ 思て。」
駒子「ほしたら 明日の昼にでも うちが また 店 寄るわ。」
糸子「ほんま?! ええの?」
駒子「うん。」
糸子「おおきに 助かるわ! ほな また明日 待ってるよって!」
駒子「分かった。 さいなら!」
糸子「さいなら!」
書斎
2人「こんばんは~。」
志津「ああ あんたら。 堪忍やけど 今日は 帰って。」
2人「えっ?」
志津「大将が倒れたんや。」
駒子「大将が?!」
志津「今 お医者に 診てもろうてんやけど ちょっと 明日も どないなるか 分からへんわ。 とりあえず 今日は 帰って そっちのおかあさんに そない言うといて な。」
2人「分かりました。」
小原家
小原呉服店
糸子「えっ 奈津のお父ちゃんが?」
駒子「うん…。 今日も お座敷 入ってたん 無くなったしな。 やっぱし 結構 大ごとなんかもしれへんわ。」
糸子「奈津…。」
駒子「え?」