道中
奈津「おはようさん。」
糸子「奈津~! 奈津~!」 なあ うちな 正月に ごっついもん 見てん。 あんたやったら 知ってんちゃうか 思うて 聞きたいんやけどな。」
糸子「ドレス? ドレスちゅうんけ? あの きれいな着物。」
奈津「着物ちゃう。 洋服や。」
糸子「洋服?」
奈津「外国の着物は 洋服ちゅうんや。 あんた 何も知らんねんな。」
糸子「へえ~。」
奈津「うちの店にかて 時々 来るんやで 異人さん。」
糸子「ほんま?! ドレブ 着てる?」
奈津「『ドレブ』ちゃう。 ド~レ~ス。」
糸子「ドレス…。 ドレス 着てる?」
小原家
台所
魚売り『え~ いわし いわし え~ いわしは どうや。』
糸子「ただいま~! 遊んでくら! お芋さんや!」
ハル「食べてから 行き!」
玄関
善作「お~い 糸! 糸! おるか?!」
糸子「へえ!」
団子屋
店主「いつもいつも おおきに。 ヘッヘ。 毎度 おおきに。 寒いさかい 気ぃつけてな。 ほれ あんたも そろそろ帰らな。 おうちの人が心配してるで。」
糸子「おかまいのう。 集金に来てるて 知ってますさかい。」
店主「なんぼ座ってもろても ないもんは ないさかいな 今日のところは 堪忍してもらわなな。」
糸子「はあ…。 けど おっちゃん うちも 手ぶらで帰る訳には いきませんねん。」
店主「…さよけ~。」
「こんにちは~。」
店主「あ いらっしゃい。 ハハハ どうも。 何しましょう?」
勘助「おっちゃん! 串だんご ちょうだい。」
店主「1本やさかいな。 2本取りなや。 あ こっちはね 白あんが 入ってますねん。」
「白あんけ?」
店主「あっちもね 評判がよろしいんです。 あ こら! こら~! おお…。」
「2本 取ったんけ?」
店主「かないまへんわ ごんたどもが もう…。」
糸子「おっちゃん 待っといて!」
店主「えっ?」
糸子「取り返してきたるわ!」
店主「えっ?」