居間
<今 縫い子は 昌ちゃん含めて4人が 住み込みで働いてるよって 夜は みんなで代わりばんこに 子守りが できるものの…>
勝「お~い 糸子! お前も はよ食べよ!」
糸子「うん。」
(泣き声)
<昼間は さすがに 誰も 猛獣の相手をしてる余裕は ありません>
(泣き声)
糸子「もう どないしよう…。」
2階 寝室
(たたく音)
昌子「イテッ! イテッ… イテテテッ! あ~ もう! 直ちゃん?!」
居間
(電話の呼び鈴)
糸子「よいしょ! はいはい。 はい 小原洋装店… あっ お父ちゃん…。 ああ… そやけどな 何で うちは 子供なんか 産んでしもたんやろ思てな~。 うん そんな簡単に見つからんて 預かってくれるとこなんか。」
(直子の泣き声)
糸子「えっ? ええ話? おっ?」
生地屋
糸子「あ… こんにちは!」
善作「ええよ!」
河瀬「あっ どうも。」
<『ええ話がある』ちゅうから てっきり 直子の預け先でも 見つけてくれたんか思たら 全然違て 商売の話でした>
善作「はい よち よちと!」
(泣き声)
<この人は お父ちゃんの知り合いで 生地問屋の大将です>
河瀬「これなんや。 ほれ ここに1本だけ 金糸が入ってますやろ?」