連続テレビ小説「カーネーション」第56回「秘密」【第10週】

2階 座敷

昌子「何してるんですか? 2月からは 衣料切符が始まって 自由に商売でけへんように なるさかい その前に 受けられるだけ 仕事 受けとこっちゅうちゃったん 先生 ちゃうんですか?」

糸子「ええやん もう。 うちが儲けたら 他が儲かれへんさかいな。 うちが稼がんのが 世のためなんや。」

昌子「はあ! 何を ふぬけた事 言うてるんですか! うっとこは もう縫い子が 7人も働いてんや! 7軒分の生活が かかってんや! 何が 稼がへんのが 世のためや? うちらは どないなるんですか! 寝ぼけんのも 大概にして下さ~い!」

(落ちる音)

オハラ洋装店

糸子「あ イデデデデ!」

勝「大丈夫?」

静子「大丈夫? 姉ちゃん!」

糸子「ああ。 ああ~! あ~。 ああ~。」

(首の骨の鳴る音)

糸子「ああ~! あ~! おおきに! 目ぇ覚めたわ。」

糸子「すんません お待たせして。」

「もう! びっくりするがな! 大丈夫け?」

糸子「大丈夫や!」

<昌ちゃんの言うとおりです。 うちには 家族がおる。 7人の縫い子を抱えてる。 ようさんのお客さんを 待たせてる。 どんだけ憎まれようが 負ける訳には いけへんねん>

安岡家

玄関前

(カラスの鳴き声)

<さいなら。 もう二度と 来えへんよって>

道中

糸子「悪いけどな うちは負けへん。 戦争にも 貧乏にも 勝って勝って 勝ちまくるんや。 嫌いたかったら 嫌たらええ。 なんぼでも 嫌てくれ!」

(泣き声)

小原家

オハラ洋装店

<清子と光子が それぞれ 勤め先をクビになったので うちで 雇う事になりました。 せやさかい 今 店に 縫い子は 9人 そのうちの男の子ら2人は 相変わらず 2階の紳士服の 注文がないよって ほとんど ずっと 1階の仕事を手伝わせてます。 あともう1人 新しく 店の手伝いをしてくれるように なった人があります>

善作「あ~ 暑いのう!」

糸子「いらっしゃい!」

<お父ちゃんです>

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