連続テレビ小説「カーネーション」第56回「秘密」【第10週】

糸子「はい。 ほな 頼むわ。」

善作「うん。」

大山「こんにちは!」

糸子「いらっしゃい!」

大山「暑いなあ!」

糸子「なあ 暑いな!」

<この2月から 衣料の買い物には 全部 この切符が いるようになりました>

糸子「ほな 切符8点と4円80銭… やけど4円でええわ。」

大山「ほんまに? うれしいわ。 おおきになあ!」

糸子「いいえ。」

大山「ほな はい切符。」

糸子「はい。 お父ちゃん 8点。」

善作「8点な。 はい。」

糸子「おおきに!」

<月末には お客さんから もろた切符を 帳面に貼って 配給所に申告します。 要は ここに貼られた分だけを 次にも仕入れる事が できる訳やけど 運のええ事に 組合が この配給委員を 勝さんに やらせてくれたよって>

勝「ただいま!」

糸子「お帰り。」

勝「デシン 多めに仕入れるようにしといた。」

糸子「ほんま? おおきに。 ようできたな?」

勝「いや デシンなんか 高い割に 点数 少ないさかい 逆に 余ってら。」

勝「人絹の方が安い 点数も多いし よう売れる。」

糸子「そやねんけどな うち 人絹 嫌いやし。」

勝「うん?」

糸子「安うても どうせ お客さんが 着てるうちに あかんように なってしまうわ。 あかんて分かってるもんを 薦める気ぃには なれへんねん。」

井戸

(笑い声)

美代「優ちゃん 絵上手やし。」

「ほんまや 天才やな。」

(笑い声)

美代「直ちゃん!」

優子「ちょっと 直子 何すんよ?」

美代「こらこらこら!」

優子「あかん こら!」

「もう~!」

美代「姉ちゃんばっかり 褒められたら 直ちゃんも 気ぃ悪いもんなあ。」

糸子「優子 直子 そろそろ うち 入り。」

優子「ふん!」

糸子「こら 優子! これ!」

(泣き声)

「あ~あ!」

糸子「はいはい よし泣かんでええ。 もう泣かんでええ。

<あ それから うちの おなかには また新しい子ぉがおります>

糸子「フフフ! おおきに。 さいなら!」

「はい さいなら!」

小原家

玄関前

糸子「はれ? 出かけるんけ?」

勝「おう!」

糸子「どこへ?」

勝「うん。 釣りや。 夜釣りに誘われててな。」

糸子「へえ~。」

勝「ほな。」

糸子「気ぃ付けて。」

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