連続テレビ小説「カーネーション」第63回「切なる願い」【第11週】

オハラ洋装店

「すてき! これ ほんまに 着物に戻せるんですか?」

糸子「戻せる。 これかて うちの一張羅やさかいな。」

「うちの姉ちゃん 絶対 知りたがるわ。 今度 結婚式 呼ばれてて モンペで 行かんならんの ほんま 残念がってたんです。」

糸子「せやろ! そう そういう時のための モンペやさかいな!」

昌子「先生 ウインドーに 大きい貼り紙しましょ。『新しい おしゃれなモンペの作り方 教えます』。」

糸子「せやな!」

静子「『着物に戻せます』も 書かな!」

糸子「せやなあ! せやせや 書こう書こう。」

玄関前

「はよ はよ~! ほら!」

<そうして 新しいモンペ教室が 始まりました。>

オハラ洋装店

<そうして 新しいモンペ教室が 始まりました。 また オハラ洋装店が 何や 始めよったちゅうんで 注目こそ されるもんの 何でも 新しい事ちゅうんは そない すぐに 受け入れられる訳やない。 第1回目のお客さんは 8人 定員のところ5人。 けど おもろい事に その5人は そろいもそろって…>

サエ「こんにちは~!」

<そう この手の人らでした>

昌子「ああ! サエさん いらっしゃい。 どうぞ どうぞ!」

サエ「はい! これ お代。」

昌子「おおきに!」

サエ「糸ちゃんは?」

昌子「すぐ来ます。」

<若うて 元気いっぱい。 新しいもん好きの おしゃれ好き>

サエ「こんにちは。」

4人「こんにちは。」

<ほんで ごっつい負けん気 強い ほんな こんなで うちが出てった時には 恐ろしいほど 場が冷えきってました>

糸子「…という事で ほんで 着物をバラしたら。」

<せやけど いったん 話を始めたら ごっつい熱心 しかも 大胆。 どんな ええ着物にも どんどん ハサミ 入れていきます>

糸子「ちょ ちょっ! ちょ ちょっ!」

サエ「へえ?」

糸子「あんた もうちょっと 丁寧に ハサミ 入れな 間違うたら えらいこっちゃで!」

サエ「ほうか?」

糸子「うん。 ああ もう いがんでるわ。 ほれ ほれ!」

「ちょっと 貸し あんた!」

サエ「何すんよ?!」

「見てられへんわ! こんな ええ着物やのに ガッタガタやんか!」

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