連続テレビ小説「カーネーション」第76回「明るい未来」【第14週】

木之元電キ店

糸子「おっちゃん!」

木之元「おう 糸ちゃん!」

糸子「聴いたけ? ラジオ。 ええ曲 やるようになったなあ!」

木之元「聴いた 聴いた。 当ったり前や! ♬『すみれの花 咲くころ』」

糸子「うれしいなあ!」

木之元「ちょっと! 糸ちゃん ちょい ちょい…。 はい! はい!」

糸子「どないしたん? これ。」

木之元「ごっつ おもろいとこ 行ってきたんやし。」

糸子「どこ?」

木之元「闇市。」

糸子「闇市?」

木之元「ふん。 糸ちゃんな 連れていっちゃるわ。 ごっついど~!」

糸子「おっ!」

木之元「な~んでも 売ってんや! な~んでもやで!」

糸子「え~!」

木之元「だ~ん!」

闇市

<ちゅうて 木之元のおっちゃんが 連れてってくれた 闇市には…>

糸子「いや!」

木之元「これ うまい!」

<ほんまに 何でもありました>

木之元「うわ~ うまそうやな~!」

糸子「うわ~!」

木之元「おい あんなの ええな!」

糸子「こんなんも あるんやな。 うわっ!」

木之元「えっ?」

糸子「あっ! ちょっと ちょっと! 砂糖や! 何ぼ?」

「100円。」

糸子「え~ 高!」

「はい。」

糸子「いや あと5合! 5合 足して。」

「あかん あかん。 帰れ。」

糸子「ほな ええわ もう。」

「ああ! 帰ったら あかんがな。 あと3合!」

糸子「4合! 頼むわ なあ?」

「もう かなわんな もう。 儲からんやん あんた。」

糸子「ちょっと 少なかった 今。」

小原家

玄関前

糸子「おもろかったなあ!」

木之元「せやけど やっぱし 糸ちゃん 値切り方が 並みの者 ちゃうのう。」

糸子「ほうかあ?」

木之元「わしな 横で見てて 怖かったわ。 ハハハハハハ…!」

糸子「ほんま 連れてってくれて おおきにな。」

木之元「ほなな!」

糸子「またな!」

木岡「何でや?! 戦争 終わったん ちゃうんけ?」

糸子「どないしたんや?」

木岡「何で あかんのんじゃ?!」

警官「アメリカ軍や。 だんじりなんか曳いて 騒いじゃったら アメリカ軍が 何しに来よるか 分からへんやろ!」

糸子「だんじり?」

木之元「おい 今年も また だんじり曳いたら あかんちゅうんけ?」

木岡「何で あかんのんじゃ?!」

警官「せやから アメリカ軍を刺激すんなちゅう 上からの お達しじゃ! 守らんかってみい! お前ら まとめて 逮捕やぞ!」

3人「え~?」

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