だんじり小屋
<ほんでも 祭りの朝>
昭和20年
<見るだけでも 見となって だんじり小屋に行ってみました>
(下駄の音)
糸子「直子 あんた 何してんの?」
直子「曳くで!」
糸子「はあ? いや 今年は 曳かれへんやし。 …ちゅうか あんた 女やしな。」
直子「曳くちゅうたら 曳く!」
♬~(笛)
木岡「何でや… 何で 曳いたら あかんのんや?」
木之元「だんじりは わしらの命や。」
奥中「ええやないか 曳こや。」
木岡「おう。 わしら 今 これ 曳かれへんかったら ほんまに 終わってしまうど。」
木之元「せやのう。」
♬~(笛)
木岡「曳こよ!」
木之元「よっしゃ!」
男達「おう!」
木岡「走れるほどの人数は いてへん。 ゆっくりや! ゆっくりで ええからな!」
男達「よっしゃ~!」
直子「おっちゃん うちにも曳かして!」
木之元「な… 直ちゃん?」
糸子「これ! 直子。」
直子「嫌~!」
「おう チビ 曳け曳け!」
「ほうじゃ! 曳け曳け!」
木之元「女やがな。 まままま… ええか。」
糸子「はあ?」
木岡「よっしゃ~ 曳け~!」
男達「よっしゃ~ 曳け~! よいしょ~! よいしょ~!」
木岡「よっしゃ~ 曳け~!」
男達「よっしゃ~!」