連続テレビ小説「カーネーション」第7回「運命を開く」【第2週】

泉川高等女学校

<うちも いっちょまえの 女学生になりました。>

教室

<女学校は 当たり前やけど 女子ばっかしで 別嬪もおれば そうでないのも おります>

「痩せたいわ~。」

「うちも。」

「うちは 色 白になりたい。」

「ほんで 宝塚に入りたい!」

「うちは 痩せたら 坂東妻三郎様に 会いに行くわ!」

「はあ~ どないしたら 痩せんやろうなあ?」

3人「う~ん…。」

「何? 吉田さん。」

奈津「何にも。」

<吉田奈津は 女学校に 友達がいてへんみたいです そやけど うちも 人の事は 言えません>

「あれ? お芋 どこいった?」

「えっ? ん?」

<うちは 今 三角に夢中です>

「ちょっと 小原さん うちのお芋 取らんといてよ!」

教師「大事なんは 一目一目…。」

<裁縫の授業は 週に4回あります>

教師「決して 雑にやったら あきませんよ。」

<当然 うちは いっつも 大張り切りなんやけど>

糸子「はい! 先生。」

教師「はい 小原さん。」

糸子「あの アッパッパの事なんですけど…。」

教師「小原さん。 今 みんなが縫っているのは 何ですか?」

糸子「浴衣です。」

教師「そう 浴衣です。 今 アッパッパは 関係ありませんね?」

糸子「そやけど 浴衣は もう縫うてしもたんです。 あの… アッパッパの裾に こんな三角 入れたい 思てるんですけど…。」

教師「三角でも四角でも おうちで 好きなだけ入れたら よろしい! 縫い終わったら 静かに 教科書でも読んでなさい!」

<好きすぎる ちゅうもんも 具合の悪いもんで 教科書なんか 4月にもろてから もう100回は読んでるし 書いてある事 全部覚えてるしで 裁縫の授業は 眠たあて しゃあありません>

教師「小原さん!」

教師「皆さん 今日も一日 つつがなく過ごす事ができて よかったですね。 日に日に 暮れるのが 遅くなっていますが…。」

<小学校と違て 女学校は 終わんのも遅いし 宿題も ようさん出て なかなか 裁縫の時間がありません>

教師「宿題も 忘れんよに。 よろしいですね。」

一同「はい!」

「起立! さようなら!」

一同「さようなら!」

道中

<うちは いっつも 走って 家に帰ります>

糸子「あ! 勘助やんか。」

「勘助やんか。」

「誰じゃい あいつ?」

<何や知らん このごろ 勘助は 道で会うても 返事せえへんよに なりました>

小原家

子供部屋

糸子「はあ~ でけた! 光子 ちょっと 着てみ。」

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