雉真家
庭
るい♬『Come, come, everybody How do you do, and how are you? Won’t you have some candy? One and two and three, four, five?』
水田屋とうふ
安子「できるだけ早う迎えに行こう思ようる。 たちばなを大きゅうして 治療費が払えるようになったら そん時ゃあ…。」
きぬ「るいちゃんは 賢え子じゃ。 いつかきっと分からあ。 安子ちゃんが いつも どねん時も るいちゃんのことを 一番に思うとるいうこと。」
卯平「あっ! お~ 安子ちゃん。 算太は どねんしたんなら?」
安子「信用金庫に行っとります。」
卯平「それが 行ってとらんらしいで。」
安子「えっ?」
回想
金太「安子。 たちばなを建て直すで。」
算太「安子。 一緒に 立て直さんか… たちばな。」
安子「本当に楽しみです。 ぼんやり思い描いとった いろんな夢が 一つの形になろうとしょおるみてえで…。」
回想終了
<安子は 町を駆け回って捜し ようやく 算太が大阪行きの切符を 買っていたことを突き止めました>
雉真家
稔の部屋
るい「お母さん。 もう新しい家に行くん?」
安子「大阪じゃ。」
るい「大阪? 何で?」
安子「たちばなのお店のことで 大事な用ができたんじゃ。 算太伯父さんが先に行っとるから お母さんも行かんと。」
るい「早う帰ってきてね。」
安子「もちろんじゃ。」
おぐら荘
くま「そやけど あんた。 お兄さん捜すて どないして捜す気ぃやの? そんなもん あんた 大人が家出したからいうてやで? 警察が あんた まともに聞いてくれるか? そういうて やみくもに捜しても そら見つかれへんて。」
進駐軍
ロバート「Yasuko.」
安子「Robert. I’m sorry to bother you…, but I have nobody else to turn to….(すみません ほかに頼る人がいなくて)」
ロバート「What happened?」