ジョー「ああ。 ありがとう。」
ベリー「ちょっと あんた。 ジョーと どういう関係なん?」
るい「えっ…。」
トミー「やるやないか ジョー。 お前がトランペット以外のもんを めでるとはな。」
るい「あっ… ち… 違います! 私ゃあ クリーニング屋の店員です。」
ベリー「クリーニング屋?」
るい「この人は お店の常連さんで…。」
ベリー「な~んや 洗濯屋か。」
トミー「ますます やるやないか ジョー。」
るい「(心の声)『何で いちいち語尾に名前うつける?』」
トミー「クリーニング屋でガールハントとはなあ。」
るい「違います!」
ベリー「じゃあ 何で ここにいてんの?」
るい「何でって…。」
るい「(心の声)『あれ? 何でじゃったかなあ。 何で 私ゃ この店に…。』 えっと… 帰ります。」
ベリー「逃げんの?」
るい「ええっ。」
ベリー「言うとっけど ジャズマン追っかけ回すいうんは 思てるより お金かかんねん。」
るい「お… 追っかけ回す?」
ベリー「あんたに その覚悟と経済力があんの?」
るい「(心の声)『いけん。 変なとこに 迷い込んでしもうた。 これ以上 巻き込まれんうちに…。』失礼します。」
ジョー「あっ ちょっと。」
るい「えっ。 毎度ありがとうございます。」
木暮「あっ お嬢さん。」
竹村家
居間
和子「るいちゃんは 夕飯済ましてくるみたいやなあ。」
平助「ああ そやろなあ。」
和子「何 食べてんのやろ。」
平助「知らんがな。」
和子「しゃれた店やろなあ。 ビフテキでも 食べさせてもろてんちゃんか。」
平助「いや いきなり そんな店連れてく男は かえって怪しいで。」
和子「ほな… ラーメンとギョーザやろか。」
平助「極端やな。」