和子「天ぷらやろか。 おすしやろか。 いや うなぎもええなあ。」
平助「お前が食べたいもん 言うとるだけやないかい。」
和子「肝吸い… 肝吸い…。」
るい『ただいま 帰りました!』
2人「お帰り!」
和子「うん? 何? それ。」
るい「洗濯物です。」
和子「洗濯物?」
るい「Night and Dayいうジャズ喫茶の 支配人さんから預かってきました。」
平助「ジャズ喫茶。」
るい「お店の人らの制服です。 これまで頼んどったお店が 値上げしたんじゃそうです。 せえで 試しにいうて。」
和子「あ… そら ありがたいねえ。」
平助「うん。」
和子「ありがたいいけど るいちゃん。」
るい「はい。」
和子「何で デート行って 洗濯もん抱えて帰ってくんの?」
平助「そう。 それやがな。」
るい「私も よう分からんのんです。」
2人「えっ?」
るい「フフッ。 ええ匂い。 煮物ですか?」
和子「ああ そうや。 そら豆と厚揚げの。」
るい「おいしそう。 着替えてきます。」
和子「食べてへんの?」
るい「ひあ。 おなか すきました。」
和子「映画のあと 2人でジャズ喫茶行ったんやろか。」
平助「そやったら 飯も済ませてくるやろ。」
和子「そやんなあ。」
平助「けど… 初めてちゃうか?」
和子「えっ?」
平助「るいちゃんが あないに明るい顔で笑たん。」
るいの部屋
<初めて聴いた生のジャズが るいの心の奥深くに 柔らかく入り込んでいました>
♬~(ハミング)