公園
るい「あっ。」
「おねえちゃん ボール取って!」
「こっち こっち!」
<大阪をたつ前に るいと錠一郎は 結婚届を出しました。 るいは 大月るいになり 錠一郎の戸籍に初めて家族が加わりました>
野田家
茶室
るい「お茶の先生の娘さんやったんですね。」
一子「しつこい。」
るい「すみません。」
錠一郎「ベリー 一子さんいう名前やったんやな。」
一子「それも しつこい。」
錠一郎「一子さんが いちご? いちごで ベリー。」
一子「ばかにしてんの?」
錠一郎「えっ 違うよ。 かわいらしいなあ思て。」
一子「京都では ベリーて呼ばんといてや。」
るい「えっ?」
一子「あれは 大阪での仮の姿や。」
るい「え~っと…。」
一子「お作法は また教えるさかい。 今日は そのまま飲み。」
るい「はい。 頂きます。」
一子「ジョーは飲まんとき。」
錠一郎「何で?」
一子「こぼすさかい。 それで? これから どないすんの?」
るい「しばらくは 宿に泊まりながら 住むとこと仕事探します。」
一子「えっ?」
るい「えっ?」
一子「家も仕事も決まってへんの?」
るい「はい。」
一子「何や それ。」
錠一郎「貯金はあるよ。」
一子「どれくらい?」
るい「切り詰めたら 2人で みつき暮らせるくらいかな。」
一子「それだけ?」
るい「はい。」
一子「大丈夫かいな。」
るい「岡山から出てきた時かて 似たようなもんでした。 新しい気持ちで一から始めよ思たら これが一番いいんです。」
一子「あんた 意外にギャンブラーやな。」
るい「あ… おいしい。」
道中
るい「やっぱり クリーニング屋さんが 手っとり早いやろか…。 ねえ ジョーさ…。」
錠一郎「どこ行ってんの?」
2人「天神さんやで。」
錠一郎「るい。 天神さんやって。」
るい「天神さん?」
縁日
「おいしい。 おいしいな?」
「うん。」
錠一郎「食べる?」
るい「あっ…。」