回転焼き屋・大月
るい「いっちゃん。 これ お母さんたちに持って帰って。」
一恵「わあ ありがとう。 みんな喜ぶわ。」
ひなた「はあ ただいま。」
るい「ひなた。 どこ行っとったん?」
ひなた「ちょっとね。 あっ 私も回転焼き!」
るい「先 拭きなさい。」
錠一郎「ほな お父ちゃん 拭いたろ。」
一恵「おっちゃん 優しいな。」
ひなた「ヘヘヘッ。 お父ちゃん ありがとう。」
錠一郎「うん。」
玄関前
<日本の夏といえば 花火です>
ひなた「お父ちゃん!」
錠一郎「うん? 危ない 危ない 危ない…。」
るい「アハハハハッ!」
ひなた「見て見て~!」
ひなたの部屋
<日本の夏といえば 麦茶です>
ひなた「『20円の鉛筆を7本と 15円の消しゴムを3つ買いました。 お釣りは いくらになりますか?』。 はるお 何で 3つも消しゴムいるん!? どんだけ間違うねん! まだ3週間もあるわ。」
居間
<日本の夏といえば 高校野球です>
テレビ『終戦から30年。 戦火に散った多くの人たちに 黙とうをささげます』。
錠一郎「ん…。」
(正午のサイレン)
錠一郎「ほら ひなた。」
(正午のサイレン)
テレビ・場内アナウンス『ご協力ありがとうございました』。
<日本の夏といえば 終戦の日です>
(セミの声)
ひなたの部屋
<日本の夏といえば 夏休みの宿題です。 夏休みは 間もなく終わります>
ひなた「どないしよう…。 う~ どないしよう…。」