ひなた「『黍様のために作った座布団です』。」
五十嵐「『それがしのために…』。」
ひなた「『おだんごを食べてる時 いつも お尻が冷たそうだから…』。」
畑野「それ どういう設定?」
ひなた「『黍様。 ゆみのために 刀を捨ててくださったのですね』。」
五十嵐「『おゆみ』。」
ひなた「『ゆみは 三国一の幸せ者でございます』。」
五十嵐「『おゆみ』。」
轟「おい! そこの2人 つまみ出し。」
畑野「はい。 (せきばらい)」
畑野「再開しますか?」
轟「ああ。 すみれさん 入れますか?」
すみれ「『おゆみ命がけ』。 轟さんが 初めて演出してくださった回ね。」
轟「ああ… 覚えてはるんですか。」
すみれ「もちろん。 フフッ 何やらせるんだって笑ってたわね モモケンさんも。」
轟「ハハッ…。 当時 ブルース・リ―が はやっててなあ。 ハハッ いらん演出すなって 先輩に怒られたわ。」
「何で おゆみが座布団 背負て歩いてたんか いまだに よう分からんしなあ。」
(笑い声)
休憩所
五十嵐「はあ…。 お前のせいだからな。 今日の仕事が パーだ。」
ひなた「はあ? 仕事て。 斬られる役者さんのお芝居見て 勉強してるだけでしょ。」
ひなた「衣装までつけて その気になって。 あほみた~い。 けど…。 あんたも見てたんやな 『黍之丞』。 子供の頃から。 えっ。 あ…! ちょっと! 何で そうやって すぐ寝んの あんたは! ホンマ どこまで ふざけたら気ぃ済むん? ちょっと! 五十嵐。 何 寝てんの! ちょっと。」