連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第88話「1984-1992」【第18週】

吉之丞「よいしょ。」

(テレビの音)

桃太郎「直った! よっしゃ よっしゃ 来た来た。 まだ星稜負けてる!」

るい「ありがとう 吉之丞君。」

吉之丞「いえ。」

ひなた「すごいやん 吉之丞。」

吉之丞「何が?」

ひなた「あんた こないな特技があったんやなあ。」

吉之丞「特技て。 職業や。」

錠一郎「まあ まあ まあ すいかでも食べ ほら。」

吉之丞「すんません。 呼ばれます。」

るい「回転焼きも食べるでしょ?」

吉之丞「ありがとう おばちゃん。」

るい「お盆やのに来てもろて 助かったわあ。」

ひなた「てっきりケチエモンが来る思てたわ。」

錠一郎「吉右衛門さんや。」

吉之丞「お父ちゃん ぎっくり腰でな。」

錠一郎「えっ 大丈夫なん?」

吉之丞「昔 ええ年して チャンバラして 腰痛めてから 癖になってしもてるて おばあちゃんに笑われてたわ。」

るい「吉之丞君。 これ お父さんにお見舞い 持ってってね。」

吉之丞「いや おばちゃん これは ちょっと多すぎるて。」

るい「ええから。」

吉之丞「え…。」

小夜子『こんにちは。』

るい「あら 小夜ちゃん。 いらっしゃい。」

ひなた「小夜ちゃん。」

小夜子「ひなちゃん。 おばちゃん あんこだけ売ってもろていい?」

るい「ええよ。 おはぎ作んの?」

小夜子「うん。 おばあちゃんにお供え。」

るい「それじゃあ 上がって。」

小夜子「ありがとう。」

小夜子「お邪魔します。」

錠一郎「ほら 小夜ちゃんも すいか食べ。」

小夜子「ありがとう。」

ひなた「どうぞ。」

小夜子「あれ? 赤螺君。」

吉之丞「おう。 藤井 久しぶりやな。」

小夜子「家の仕事してるんや?」

吉之丞「いっぺん就職したけどな。」

小夜子「あ~ うちのクーラーも調子悪いんえ。」

吉之丞「見に行ったろか?」

小夜子「ホンマ? お母さん喜ぶわ。」

桃太郎「うそやろ!? えっ… ツーアウト 三塁やで!? 9回表やで!? 敬遠はないやろ!」

小夜子「モモちゃん どないしたん?」

桃太郎「どないもこないも… うわっ! 小夜ちゃん!」

小夜子「えっ。」

桃太郎「えっ いつの間に!?」

ひなた「今頃 何言うてんの 桃。」

小夜子「甲子園 どないかしたん?」

桃太郎「あ… 松井が ずっと敬遠されてるんや。」

小夜子「ええ?」

桃太郎「5打席連続やで。」

ひなた「何で そんなことするん?」

桃太郎「打たれたら困るからに決まってるやろ。」

錠一郎「松井君て 高3やろ?」

桃太郎「うん。」

るい「かわいそうやねえ。 最後の夏やのに。」

小夜子「けど 明徳の子かて かわいそうやわ。 最後の夏に こんな…。」

吉之丞「ピッチャーかて 勝負したいよなあ。」

テレビ『胸の内は いかに…』。

ひなた「私 一秒でも長く 文ちゃんと一緒にいたい!」

「ボール」

ひなた「文ちゃんと暮らしたい。」

「ボール」

「ボール。 フォアボール。」

ひなた「文ちゃん 何で 私のこと敬遠すんの…!」

ひなたの部屋

ひなた「私かて ちょっとずつ ためてるんやで。 文ちゃん…。」

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク