夜ドラ「ミワさんなりすます」(第14回)

園庭

警備員「よし 消えた。」

藤浦「ご苦労さま。」

リビング

藤浦「ボヤ騒ぎで済んで よかったです。」

池月「何で家事が起きてるって 分かったんですか?」

藤浦「ミワさんが撮った この写真 よく見て。」

一駒「あっ! あっ タバコの吸い殻 投げ入れてますね。」

藤浦「私が追い払った週刊誌の記者が 腹いせにやったんだと思う。 ご丁寧に 監視カメラのないところを選んでね。 放火罪の重要な証拠になるわ。 ありがとう ミワさん。」

ミワ「あっ いえ 怪しい人が見えたので…。」

池月「私 てっきり ミワさんが ミーハー心で撮ってたのかと思いました。 藤浦さん よく ミワさんの意図に 気付かれましたね。」

藤浦「ミワさんは 家政婦として まだまだ頼りないところはあるけど 人をだましたりするような人間じゃない。 盗み撮りなんかするようには 思えなかっただけよ。」

控え室

<いや 藤浦さん 私は人を欺く あさましい女です。 こんなこと いつまでも続くとは思えないのに 今日だけ 明日だけ そうやって ずるずる毎日が過ぎていく。 そして今日も 一日 終わってしまった>

池月「あっ ミワさん。 どう? 家政婦の仕事 慣れた?」

ミワ「いや… 全然 うまくできないです。」

池月「そうかな? ミワさん センスあると思うけど。」

ミワ「えっ そうですか?」

池月「最初は 随分おどおどしてるなって 思ったけど 仕事は丁寧だし 整理整頓がすごいじゃん。」

<それは多分 私がオタクだからです>

池月「今 週3で入ってるでしょ? いっそのこと 週5 入ったほうがいいんじゃない?」

ミワ「いやいや そんな…。」

<私は ただのなりすまし…>

池月「ミワさんって ふだん何してるの?」

ミワ「えっ ふだん?」

池月「家政婦は週3だけでしょ? ほかの日は何やってるのかなって。」

ミワ「ほかには えっと…。」

池月「まあ いいや。 じゃあ お疲れさま。」

ミワ「お疲れさまです。」

<池月さんは いい人だ。 彼女たちとも 親交が深くなればなるほど その罪悪感は重くのしかかる>

ミワ「はあ…。」

ミワ宅

ミワ「はあ…。」

(チャイム)

ミワ「えっ? はあ…。」

さくら「おつ~。」

<今日は何しに…>

ミワ「どうぞ。」

さくら「お邪魔します。 あっつ…。」

ミワ「窓開けますね。」

(風鈴の音)

さくら「風 気持ちいいね。」

ミワ「風…。」

(風鈴の音)

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク