下山家
なつ「かわいい…!」
神地「女の子ですか。」
下山「ハハハ… かわいいでしょう?」
神地「茜ちゃんに似ることを祈りますよ。」
下山「それだけが心配。」
なつ「名前は?」
下山「あっ…。」
なつ「あ~。」
坂場「アキコか。」
下山「違う。 メイコっていうの。 命名 明子。」
なつ「それが やりたかっただけ?」
下山「いや 違うよ。 頭脳明せき 風光明美の明。」
なつ「明ちゃんか…。 茜さんは もう仕事に復帰することは 考えてませんか?」
茜「うん 今はね。 でも 仕事を辞めて 本当によかったと思ってるわ。 この子を置いて会社に行くなんて… 今じゃ とても考えられないもの。」
なつ「そうですか…。 でも 本当にかわいい…。」
茜「なっちゃんだよ…。」
なつ「どうしたの…。」
茜「眠たいのかな?」
なつ「かわいい…。」
東洋動画スタジオ
<そして ひとつきがたち 秋も深まる頃。>
テレビ班 作画室
なつ「(ため息)」
堀内「ん? どうかした?」
なつ「あ… ちょっと気持ち悪くて…。」
堀内「えっ! ちょっと 本当に大丈夫かい?」
なつ「うん。」
荒井「どないしたんや?」
なつ「何でもありません。」
堀内「気分が悪いって。」
荒井「何や 風邪か?」
なつ「違います。」
堀内「働き過ぎですよ。 いくら テレビで 止め絵が多いっていったって 一日に 10カットは描かないと 間に合わないんだから。」
荒井「しゃあないやろが!」
なつ「ちょっと 外の空気 吸ってきます。」
堀内「うん。」
荒井「遅れてまうねんで。」
堀内「おおっ 大丈夫か!?」
荒井「大丈夫か? なっちゃん? ちゃんと休まなあかんて。」
堀内「あ… なっちゃん! 水 お願いしていい?」
荒井「はよ はよ はよ…!」
病院
なつ「ありがとうございました。」
看護師「お大事に どうぞ。」