あらすじ
JOAKの黒沢(木村彰吾)から、子ども向け新番組の語り手としてラジオに出演してほしいと頼まれる花子(吉高由里子)だが、あがり症ということもあり乗り気になれない。その夜、英治(鈴木亮平)はやってみたらいいと背中を押すが、花子は翻訳の仕事が手いっぱいで断るつもりだと言う。翌日、JOAKを訪れた花子と英治は、部長の漆原(岩松了)とアナウンサーの有馬(堀部圭亮)に会い、実際の放送を間近で目撃する…。
122回ネタバレ
村岡家
居間
黒沢「JOAKで番組を作っております 黒沢と申します。」
花子「JOAKって あのラジオ局の?」
黒沢「村岡花子先生。 是非 我々のラジオ番組に 出演して下さい。」
花子「てっ! ラ… ラジオに?」
黒沢「はい。 今度 『コドモの新聞』という 番組が始まるのです。 子どもたちに ニュースを分かりやすく 伝える番組なんですが 語り手が アナウンサーだけでは 堅苦しい。 そこで 誰かいないかと 探していたんですよ。」
花子「あ… いいえ… でも…。」
蓮子「はなちゃん この界隈では お話のおばさんと 呼ばれているのよね。」
花子「蓮様…。」
黒沢「先ほどの 子どもたちに 本を読んでやってるところを 拝見して 確信しました。 村岡先生が引き受けて下されば きっと 全国の子どもたちが あんなふうに ラジオの前に くぎづけになると。」
花子「ちょっと 待って下さい。」
「おばさん すごい!」
「ラジオに出るの?」
子どもたち「すご~い!」
花子「ああ… 無理です 私には!」
蓮子「はなちゃん どうして?」
花子「蓮様も よくご存じでしょう。 私 ひどく あがり性で 緊張すると ヘマをするって。」
蓮子「ああ…。」
回想
(拍手)
はな『ジュリエットお嬢様。 あっ!』
(笑い声)
はな「すいません…。」
回想終了
蓮子「フフフ… あの時は 楽しかったわね。」
花子「蓮様 笑い事じゃありません。 今 思い出すだけで 足が震えて変な汗かくんですもの。」
蓮子「20年も昔の事じゃない。 今のはなちゃんなら大丈夫よ。」
黒沢「とにかく 一度 局に 見学がてら いらして下さい。」
花子「いやいや あの… 本当に お役に立てないと思います。」
書斎
英治「やってみればいいのに。 ラジオの仕事。 前から思ってたんだけど 花子さんの話す声は 人をほっとさせる。 特に 子どもたちに 話してる時の声は 愛にあふれてて 温かくて…。」
花子「そんな事 初めて聞いたわ。」
英治「もしナマケモノのお母さんが しゃべったら きっと そういう声に違いないな…。」
花子「はっ?」
英治「あ… 褒めたつもりなんだけど…。」
花子「褒められてません。 やっぱり 明日 断ってくるわ。」
英治「花子さん。 緊張して失敗するのが嫌なのか?」
花子「それもあるけど… 今は 翻訳の仕事で手いっぱい。 ラジオに出る時間があるなら 面白い物語を一つでも多く 日本の子どもたちに伝えたいの。」
JOAK東京放送局
廊下
漆原「その村岡先生っていうのは 何者なんだ?」
黒沢「児童文学の翻訳をなさってる 村岡花子先生です。」
漆原「花子? 女?」
黒沢「はい…。」