連続テレビ小説「なつぞら」第123話「なつよ、新しい命を迎えよ」【第21週】

秀子「体重も増えすぎていないようだし 血圧も尿たんぱくも問題なし 順調ですよ。」

なつ「先生 それで 本当に 生後6週間で 仕事に復帰しても 大丈夫なんでしょうか?」

秀子「それは 生まれてみなければ 何とも言えないけど 大丈夫なようにするしかないんでしょ? 坂場さんの場合は。」

なつ「はい。」

秀子「私は 子どもを産んで 1週間で仕事に復帰したわよ。」

なつ「えっ 本当ですか?」

秀子「まだ私が産婆だった頃だけどね。 そのころは ほら 産めよ増やせよの時代でね お産が多かったから 休む間もなかったのよ。」

なつ「そうですか…。」

秀子「まあ 共働きで子どもを育てるのは 大変なことだけど そういうことも 当たり前の世の中にならないとね。 医者としては 無理をするなと言いたいけれど 働く母親の先輩としては 頑張れと言うしかないわ。」

なつ「はい。 心強いです。 ありがとうございます。」

坂場家

<イッキュウさんは 少しでも生活費を稼ごうと 今は 翻訳の仕事に 一生懸命 取り組んでいます。 こうして なつは 子どもを産む直前まで 安心して 仕事を続けることができました。>

東洋動画スタジオ

テレビ班 作画室

中島「奥原さん 出来ました。」

なつ「はい。 つまらない…。 動きが正確なら いいわけじゃなくて 中島君の画には 表情が足りないの。 泣いてる時は 目を閉じてるだけじゃないでしょ。 何か工夫しないと。」

中島「原画の指示どおり 描いてるつもりですけど。」

堀内「動画は 指示どおり 描けばいいわけじゃないんだよ。」

なつ「この動きの中で 中島君が出したい アニーの表情が 何かあるはずでしょ? もっと 中島君の個性を 出していいんだから。」

中島「だけど 子どもは そこまで見てるでしょうか?」

なつ「はい?」

中島「時間がないのに… 無駄なことはしたくないです。」

なつ「だったら アニメーションなんか やめなさい! 子どもは そこまで見ない? 子どもの想像力と 私たちは戦ってるの! それを超えた時に 初めて 私たちは 子どもに 夢を見せられるんでしょ? 子どもをバカにするなら アニメーションを作る資格はないです。」

なつ「ごめんね…。 私は産休に入るけど しっかりお願いね。 中島君が見せたいと思うものを ちゃんと見せてね。」

中島「分かりました…。 これは考えて ちゃんと直します。」

堀内「直したら 俺に持ってこい。」

中島「はい。」

堀内「ハハハハ…。」

なつ「堀内さんも昔はね…。 中島君の気持ちが 誰よりも分かると思うから。」

堀内「それを言うなよ ハハハハ…。」

中島「そうなんですか?」

堀内「いいから お前は。」

中島「どういう気持ちだったんですか?」

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク