連続テレビ小説「なつぞら」第132話「なつよ、優しいわが子よ」【第22週】

夕見子「そうだよ。 ん? イッキュウさんは?」

優「パパは お仕事です。」

夕見子「あ… 日曜日もかい?」

なつ「うん。 でも 今日は夕見が来るから 早く帰ってくるって。」

夕見子「ふ~ん 大変だね。 ありがとう。」

なつ「で 夕見は? なして東京に来たのさ?」

夕見子「これ。」

なつ「バター?」

夕見子「違う。 こっち。」

なつ「あ~! たんぽぽ牛乳! 出来たの?」

夕見子「そう。 これを 東京で売るために来たのさ。」

なつ「わ~ すごい! ねえ 飲んでいい?」

夕見子「うん。 はい どうぞ。」

なつ「頂きます。 うん 美味しい! 十勝の牛乳だわ!」

夕見子「やっと 十勝から東京まで 冷蔵庫で運べるようになったのさ。」

なつ「ふ~ん。」

優「優ちゃんも飲みたい!」

なつ「うん したら ママの飲んでみな。」

優「うん。」

なつ「気を付けて。」

夕見子「ねえ どう?」

優「おいしい!」

なつ「ねえ。」

夕見子「やっぱり なつの子だね。」

なつ「夕見は飲めないの? 今でも。」

夕見子「牛乳を使った料理ならいいけど いまだに 牛乳は飲めん。」

なつ「誰の子さ あんたは。」

夕見子「雪見は好きで飲んでんだけどね。」

なつ「あんただけ やっぱり変わってんだね。」

夕見子「うるさい…。 これを 東京で流通させれば 私の役目は終わりだわ。」

なつ「終わり?」

夕見子「うん。 農協の仕事は もう これで辞めようと思って。」

なつ「えっ…。」

夕見子「雪月も 案外忙しくなってんの。 ほら ディスカバージャパンとかって 旅行ブームになってから 雪月の土産も 飛ぶように売れてんのさ。」

なつ「へえ~。」

夕見子「けど 営業力がないからね。 これからは 私の力で もっと大きくしてやろうと思って。」

なつ「いいね。」

夕見子「ん? 何 馬? あっ なつ。」

なつ「ん?」

夕見子「天陽君のことは知ってる?」

なつ「天陽君が どうかしたの?」

夕見子「何か 忙しすぎて 風邪こじらせて入院してるみたいよ。」

なつ「入院!?」

病院

雪次郎「よっ!」

天陽「おお 雪次郎。 雪見君も…。」

雪見「こんにちは。」

天陽「こんにちは。 いらっしゃい。」

雪次郎「うん。 元気そうだな。」

天陽「うん もう すっかり いいんだわ。 もうすぐ退院できるだろうって。 したから そう毎日来なくてもいいさ。」

雪次郎「疲れがたまってる時は…。」

雪見「よっ!」

雪次郎「雪月の菓子が一番なんだって。」

天陽「悪いな。」

雪次郎「あれ? 昨日持ってきたの もう食べたのか?」

天陽「あ… ごめん うちのが持って帰ったわ。」

雪次郎「あっ。」

天陽「おかげで 子どもたちが大喜びだ。」

雪次郎「まあ それなら それでいい。 俺も大喜びだ。 ほら 見てみ。 ここでも 毎日 絵描いてんのか? 休みに来たんだべや。」

天陽「急いで描かなきゃなんないんだわ。 信用金庫の 来年のカレンダーの絵を頼まれてんだ。 去年 馬が死んで 畑に トラクター頼まなくちゃなんないべ。 その金がないと払えんのさ。」

雪次郎「絵で食えるんだから 大したもんだ。 もう立派なプロだわ。」

天陽「プロではないよ。 けど まあ これも収穫と同じだべ。」

雪見「おじさん 上手だね!」

天陽「ありがとう。」

雪次郎「バカ! 上手って 雪見 天下の山田天陽さんに失礼だべ。」

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