連続テレビ小説「なつぞら」第132話「なつよ、優しいわが子よ」【第22週】

「お願いします。」

なつ「う~ん これじゃ 迫力が出ない。 線を太くしてみて。 あと もっと荒々しくていいから。 やり直して。」

中島「分かりました。」

なつ「よろしく。」

中島「はい。」

<引き受けた以上は ヒットさせようと必死でした。 優を迎えに行けない日も また増えていったのです。 そんな時 今は 茜さんに代わって この人が 優を預かってくれています。>

風車プロダクション

咲太郎「はい ここ ここ。 はい。 はい 優 連れてきたよ。」

<優は 咲太郎の声優事務所で ママの帰りを待つのです。>

光子「優ちゃん いらっしゃい。 は~い。」

光子「おなかすいたでしょ? これ食べててね。」

優「あり… あっ 光子さん ママがね ありがとうは 言っちゃダメって言うの。」

光子「えっ? 言わなきゃダメよ! ありがとうは 言わなくちゃいけません。 感謝の気持ちを持つことは 人間の基本です。」

優「はい。 ありがとうございます。 頂きます。」

光子「はい 召し上がれ。 なっちゃんは 何を考えてるのかしら…。 礼儀を教える気がないのかしらね。」

咲太郎「これは 俺か…?」

<優は 今でも みんなの愛情を受けて育っていました。>

坂場家

玄関前

<まるで 昔の自分のようだと なつは 時々思うのです。>

リビング

<そして ある日曜日のこと。>

(ブザー)

なつ「あっ 来たかな。」

優「夕見おばさん?」

玄関

なつ「そう。 は~い。 夕見 いらっしゃい!」

夕見子「久しぶり。」

優「夕見おばさん いらっしゃい。」

夕見子「優! おっきくなったな! 元気だったかい?」

優「元気です!」

夕見子「うん。 よし。」

リビング

なつ「雪見君は元気?」

夕見子「元気 元気。 元気じゃないと 小畑家じゃ やってけないしょ。」

なつ「そうだね ハハハ…。」

優「どうぞ。」

夕見子「ありがとう。 優 いいものあげる。」

優「ありがとう。」

夕見子「はい。」

優「雪月のお菓子だね!」

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