連続テレビ小説「なつぞら」第138話「なつよ、天陽くんにさよならを」【第23週】

休憩室

仲「一体 どうしたの? 話したいことがあるんでしょ?」

なつ「はい…。」

仲「言ってごらんよ。」

なつ「はい…。 実は… 辞めたいんです。 この会社を辞めようと思ってます。」

仲「それは アニメーターをということ?」

なつ「違います。 この仕事は続けたいと思ってます。 アニメーターは やめません。」

仲「うん つまり… ほかで やりたいということか。」

なつ「はい そういうことです…。」

仲「そうか… 君もか。」

なつ「申し訳ありません。」

仲「どうして謝るの?」

なつ「私は 仲さんのおかげで… 皆さんにも 力になってもらって この会社で 仕事を続けることができました。 それを裏切ることになります。」

仲「なっちゃんは それを 裏切りだと思ってるの?」

なつ「えっ?」

仲「この会社を裏切りたいとか 僕たちを裏切りたいと思ってる?」

なつ「そんなことは思ってません。」

仲「だったら その選択は 裏切りじゃないよね?」

なつ「仲さん…。」

仲「マコちゃんのところに行くのか。」

なつ「はい… どうしても やってみたい企画があって。」

仲「そう… うん それでいいと思うよ。」

なつ「いいですか?」

仲「アニメーターは もう 一つの会社に こだわってる時じゃない。 それより 一つの作品に こだわるべきだろう…。」

なつ「はい…。 私… 仲さんの弟子でよかったです。」

仲「弟子?」

なつ「はい。 自分で 自分の道を 決めるしかなくなっても 弟子は弟子ですから。 これからも 一生 そのつもりです。」

仲「弟子か…。 弟子なら 話が違ってくるな。」

なつ「えっ?」

仲「それは やっぱり裏切りだよ。 冗談だ。」

なつ「はあ… 仲さんには 一番 冗談が似合わないんですから。 冗談を言う時は 冗談だという雰囲気を 出してもらわないと 誰も笑いませんよ。」

仲「あ… そうか? いや… 今まで生きてきて 気付かなかったな。 うん… 今度から そうしてみよう。」

(笑い声)

社長室

なつ「これは… 純粋に 私のわがままです。 どうか お許し下さい。」

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